2010年2月25日木曜日

進行大腸癌ペプチドワクチン療法、フェーズ2臨床試験開始

進行大腸癌患者に対するペプチドワクチン療法のフェーズ1試験で、3種以上のペプチドに特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)反応を示した場合、予後が良好であることが示された。
全生存率は治療開始から約半年間は低下するが、その後改善に向かい、生存期間中央値(MST)は12.3カ月だった。
第7回日本免疫治療学研究会学術集会(10/2/20) 硲彰一氏(山口大)

 硲氏らは、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの中村祐輔氏らと共同で、特異的能動免疫療法として大腸癌を中心とする癌ペプチドワクチン療法の研究を行ってきた。この研究では、日本人の約60%が有する白血球型抗原HLA-A*2402に対するペプチドから、3種の大腸癌特異的エピトープペプチド(KOC1、RNF43、TOMM34)と、2種の腫瘍新生血管特異的エピトープペプチド(VEGFR1、VEGFR2)を使用している。
 硲氏らは、FOLFIRI、FOLFOXに併用するベバシズマブまたはセツキシマブに代わる治療として、癌ペプチドワクチン療法を進行・再発性大腸癌のファーストライン治療として検討する多施設共同のフェーズ2試験を実施中である。
 フェーズ2試験では、対象全員にmFOLFOX6に併用してペプチドワクチン療法を行い、HLA-A*2402の患者とHLA-A*2402以外の患者を比較検討する予定。