2010年6月14日月曜日

ラジウム223を用いた放射性医薬品アルファラディン

アルファ線放出核種ラジウム223を用いた放射性医薬品アルファラディン(Alpharadin) は、ホルモン不応性前立腺癌の骨転移に対し、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の試験結果から、忍容性を保ちながら全生存期間の延長も期待できる可能性が示されました。(ASCO2010)
アルファラディンは現在、国際共同第Ⅲ相臨床試験が行われていますが、日本はこれに参加していません。

現在、体内照射として用いられているストロンチウム-89(メタストロン注)は、ベータ線を放出する放射性同位元素で、体内ではカルシウムと同様の働きをするので、骨転移病巣に集まりやすく、集中的に骨転移病巣に放射線が照射され、多発性骨転移などで外部照射が困難な場合でも疼痛の緩和がはかれる可能性があります。

アルファ線(ラジウム223)はベータ線(ストロンチウム-89)に比べて放射線量が数倍大きく、逆に飛距離と崩壊時間が短いのが特徴。