■ガバペンチン
シカゴで行われた2007年ASCO年次総会での報告によると、前立腺癌のホルモン治療を受けている200人以上の男性で行われた臨床試験で、ガバペンチン〔gabapentin〕(Neurontin®:日本商品名ガバペン)900mg/日の投与 によって、ホットフラッシュの頻度や症状が、ともに約45%改善した。
有害事象としては、食欲低下と便秘の増加が見られた。
抗けいれん剤であるガバペンチンは、すでに乳癌女性患者のほてりの治療薬として部分的に有効であることを示しており、前立腺がんへの適用についても有意義であることが実証された。
「われわれ研究チームは、ガバペンチン900mg/日の用量は前立腺癌の男性患者に対するホルモン療法に関連して生じるほてりを中等度に減少させることに強い確信を持っています」とASCO年次総会の研究結果の発表でLoprinzi医師は結論している。
■SNRI
2009年第97回日本泌尿器科学会のパネルディスカッション、千葉大の今本敬氏の発表によると、ホットフラッシュには、
抗うつ剤の一種セロトニンノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)の50mg/日の投与が有効であり、
また間欠内分泌療法(IAS)を行った患者のQOLでは性機能と社会・家族関係で有意な改善が認められることが分かった。
2009年3月9日月曜日
2009年3月7日土曜日
BNCT(ホウ素中性子補足療法)
中性子線を使ってがんを叩く「ホウ素中性子補足療法(BNCT)」が、今、注目されている。
がん細胞が取り込みやすいホウ素化合物をあらかじめ投与しておき、そこに中性子線を照射すると、中性子とホウ素が微小核反応を起こし、がん細胞のDNAを切断破壊するが、ホウ素を集積しない正常細胞を傷つけることはない。
BNCTは、がん細胞だけを狙い打ちできる次世代の放射線治療とも言われ、治療の難しい脳腫瘍や口腔がんに効果的なことがわかってきた。
まだ臨床試験段階だが、すでに400例を超える実施例がある。
ただ、これまでは、中性子線を発生されるためには原子炉が必要で、京大原子炉や日本原子力研究開発機構の研究炉など、研究施設が限定されていたが、このたび中性子を照射できる小型加速器(約3m四方)が、京大原子炉実験所の小野公二教授と住友重機械工業の手により開発された。
ホウ素も大阪府立大の切畑光統教授とステラファーマにより、より安定性の高い薬剤が開発されている。
今後は、原子炉などの大げさな装置が不要となったこともあり、大学病院への設置も視野に、研究に弾みがかかる見通し。
ただ、中性子を扱える専門家が少ないことが問題で、これをもっと普及させるためには、今後の人材育成も欠かせない。
がん細胞が取り込みやすいホウ素化合物をあらかじめ投与しておき、そこに中性子線を照射すると、中性子とホウ素が微小核反応を起こし、がん細胞のDNAを切断破壊するが、ホウ素を集積しない正常細胞を傷つけることはない。
BNCTは、がん細胞だけを狙い打ちできる次世代の放射線治療とも言われ、治療の難しい脳腫瘍や口腔がんに効果的なことがわかってきた。
まだ臨床試験段階だが、すでに400例を超える実施例がある。
ただ、これまでは、中性子線を発生されるためには原子炉が必要で、京大原子炉や日本原子力研究開発機構の研究炉など、研究施設が限定されていたが、このたび中性子を照射できる小型加速器(約3m四方)が、京大原子炉実験所の小野公二教授と住友重機械工業の手により開発された。
ホウ素も大阪府立大の切畑光統教授とステラファーマにより、より安定性の高い薬剤が開発されている。
今後は、原子炉などの大げさな装置が不要となったこともあり、大学病院への設置も視野に、研究に弾みがかかる見通し。
ただ、中性子を扱える専門家が少ないことが問題で、これをもっと普及させるためには、今後の人材育成も欠かせない。
2009年3月6日金曜日
ピコプラチン(picoplatin)
新規白金系抗癌剤であるpicoplatinとドセタキセル、プレドニゾンの併用が転移性ホルモン療法抵抗性前立腺癌のファーストライン療法となる可能性が明らかとなった。フェーズ2試験の結果、文献的な評価で既存の治療法と比べて、RECISTによる奏効率は同等で、PSA奏効率が上回り、PSA値増悪までの期間が長いという。成果は、2月26日から28日に米国オーランドで開催された2009 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で米Poniard Pharmaceuticals社のR.Earhart氏によって発表された。
これも前立腺がんの新しいマーカー?
前立腺癌の悪性度と関連するメッセンジャーRNA(mRNA)を尿中から検出する遺伝子検査キットのプロトタイプが開発された。TMPRSS2(T2)遺伝子と癌原性転写因子ERGの遺伝子のmRNAが融合した「T2:ERG」の量をTMA法という遺伝子増幅法で検出するもの。T2:ERGは前立腺癌の組織に特異的に存在し、前立腺癌の約半数に確認されるという。アンドロゲンによる癌遺伝子の発現調節に関与していると考えられている。3施設で行われた評価で、85%という高い特異性を示し、癌の悪性度とT2:ERGの量が相関性を示した。成果は2月26日から28日に米国オーランドで開催された2009 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で米Gen-Probe社のJ.Groskopf氏によって発表された。
2009年2月16日月曜日
前立腺がんの新しいマーカー
悪性度の高い前立腺がんでは、アミノ酸の一種サルコシンが患者の尿中に増加していることが判明。米ミシガン大などの研究チームは、サルコシンが前立腺がん診断のバイオマーカー候補になりうることを、英科学誌ネイチャー(2/12)に発表した。血液を採取するPSA測定より、簡単でより正確な診断法の開発につながる可能性があるという。
参照:asahi.com の「医療・健康」
http://www.asahi.com/health/news/TKY200902150124.html
参照:asahi.com の「医療・健康」
http://www.asahi.com/health/news/TKY200902150124.html
2009年2月13日金曜日
循環がん細胞検出検査(CTC)について
(参考文献): New England Jounal of Medicine 2004,351,781-791
2004年 ASCO 抄録9552
従来のCTやPET検査では既に病巣として5mmもしくは1cm以上のものがないと検出できませんでしたが、CTCが血液中にあるがん細胞を検出できる方法として、米国FDAで測定方法として2004年1月に認可されました。
1.CTCが測定する価値がある病態
A.手術後転移がないか調べる場合
(手術後再発予防の治療を受ける必要があるかどうか)
B.CTやPETでは転移が明らかでないが再発の超早期の検診を希望する
場合
C.CTやPETでは転移が明らかでないが腫瘍マーカーなどが高く再発が
懸念される場合
D.長期にわたり再発しやすい乳がん、前立腺がん、腎がん、肝臓がん
などのfollowの場合
2.CTCがあまり意味がない場合
A.既に再発場所が明らかな場合
B.健康診断あるいは人間ドックの代わりのがん検診
C.血中転移が少ないタイプのがん
3.CTCを推奨するタイプのがん
乳がん、前立腺がん、大腸がん、胃癌、膵臓がん、肺癌、卵巣がん、
子宮がん、腎臓がんなど
4.測定方法
単なる血液検査であり、採血のみで患者自身に負担がかかりません。
5.検査精度
1回の検査で血液中にあるがん細胞を平均36%で検出可能です。検査陽性だが実は転移がない擬陽性は0.3%以下で信頼度は高い検査です。
つまり検査陽性の例はまず間違いなく、転移・再発があると考えられます。偽陰性が高いのが難点ですが、血液中のがん細胞を発見する方法が他にない上、この検査を時期を置いて2回練り返す事により偽陰性の割合は半減することができます。
2004年 ASCO 抄録9552
従来のCTやPET検査では既に病巣として5mmもしくは1cm以上のものがないと検出できませんでしたが、CTCが血液中にあるがん細胞を検出できる方法として、米国FDAで測定方法として2004年1月に認可されました。
1.CTCが測定する価値がある病態
A.手術後転移がないか調べる場合
(手術後再発予防の治療を受ける必要があるかどうか)
B.CTやPETでは転移が明らかでないが再発の超早期の検診を希望する
場合
C.CTやPETでは転移が明らかでないが腫瘍マーカーなどが高く再発が
懸念される場合
D.長期にわたり再発しやすい乳がん、前立腺がん、腎がん、肝臓がん
などのfollowの場合
2.CTCがあまり意味がない場合
A.既に再発場所が明らかな場合
B.健康診断あるいは人間ドックの代わりのがん検診
C.血中転移が少ないタイプのがん
3.CTCを推奨するタイプのがん
乳がん、前立腺がん、大腸がん、胃癌、膵臓がん、肺癌、卵巣がん、
子宮がん、腎臓がんなど
4.測定方法
単なる血液検査であり、採血のみで患者自身に負担がかかりません。
5.検査精度
1回の検査で血液中にあるがん細胞を平均36%で検出可能です。検査陽性だが実は転移がない擬陽性は0.3%以下で信頼度は高い検査です。
つまり検査陽性の例はまず間違いなく、転移・再発があると考えられます。偽陰性が高いのが難点ですが、血液中のがん細胞を発見する方法が他にない上、この検査を時期を置いて2回練り返す事により偽陰性の割合は半減することができます。
抗サイトカイン療法
がんの悪液質は、血液中のサイトカインが高くなっているため、 このサイトカインが悪さをして進行がん患者のQOLを下げているのだと言うことは、 以前当サイトにも記したことですが、この事実を裏付ける記事が医学雑誌に載りました。
(日本医事新報 2007 No.4359 p49~52、p57~69)
この記事は大変参考になりますので、是非一度読むことをお勧めします。
がんの悪液質改善、抗がん剤治療後の副作用を抑えるには、サイトカインを抑制する必要があること、 そのために抗サイトカイン療法を行う事が必要となります。
従い、改めて進行がん患者及び抗がん剤治療中の患者に、抗サイトカイン療法、 即ちレミケード、エンブレルの投与を呼びかけます。 一人でも多くの方に抗サイトカイン療法の恩恵がある事を期待します。
がん患者のあきらめない診察室 2008年5月28日
(日本医事新報 2007 No.4359 p49~52、p57~69)
この記事は大変参考になりますので、是非一度読むことをお勧めします。
がんの悪液質改善、抗がん剤治療後の副作用を抑えるには、サイトカインを抑制する必要があること、 そのために抗サイトカイン療法を行う事が必要となります。
従い、改めて進行がん患者及び抗がん剤治療中の患者に、抗サイトカイン療法、 即ちレミケード、エンブレルの投与を呼びかけます。 一人でも多くの方に抗サイトカイン療法の恩恵がある事を期待します。
がん患者のあきらめない診察室 2008年5月28日
2009年2月12日木曜日
前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)の鎮痛効果
ノースカロライナ大学医学部とヘルシンキ大学の研究グループは、前立腺癌(がん)の腫瘍マーカーのひとつ、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が、痛みを引き起こす化学伝達物質を痛みを抑える物質に変換する、痛覚ニューロンにみられる蛋白と同一であることを突き止めた。
マウスを用いた試験の結果、PAPの単回投与(single dose)によって、モルヒネと同等の鎮痛効果が認められ、さらに持続時間はモルヒネよりも大幅に長いことが判明した。モルヒネ単回投与の効果持続時間が5時間なのに対し、PAP単回投与では最長3日間とはるかに長い。
「この蛋白(PAP)には革新的な疼痛治療をもたらす可能性がある。モルヒネのように注射して疼痛治療に用いることもできるが、錠剤として使用できるようにしたい。」とノースカロライナ大学細胞分子生理学助教授Mark J. Zylka氏は述べている。
マウスを用いた試験の結果、PAPの単回投与(single dose)によって、モルヒネと同等の鎮痛効果が認められ、さらに持続時間はモルヒネよりも大幅に長いことが判明した。モルヒネ単回投与の効果持続時間が5時間なのに対し、PAP単回投与では最長3日間とはるかに長い。
「この蛋白(PAP)には革新的な疼痛治療をもたらす可能性がある。モルヒネのように注射して疼痛治療に用いることもできるが、錠剤として使用できるようにしたい。」とノースカロライナ大学細胞分子生理学助教授Mark J. Zylka氏は述べている。
ホルモン療法と化学療法の併用療法
Recently, researchers in England conducted a clinical trial evaluating treatment consisting of hormone therapy plus the chemotherapy agent mitozantrone versus hormone therapy alone for patients with locally advanced prostate cancer.
Hormone therapy in this trial consisted of injections of an agent that reduced the production of androgens (particularly testosterone) in the body.
Ninety-five percent of patients who received the combination treatment experienced a complete or partial disappearance of their cancer, compared to only 53% of patients who received only hormone therapy.
Importantly, the average duration of survival following therapy was significantly higher in patients who received both Novantroneツョ and hormone therapy, nearly 7.5 years, compared to 3 years for patients receiving only hormone therapy.
最近、イギリスの研究者は、局所進行前立腺癌患者を対象とし、ホルモン単独療法・・・アンドロゲン(特にtestosterone)の生産を抑える薬剤(LH-RHアナログ剤)・・・と、ホルモン療法と化学療法(ミトキサントロン)の併用療法を比較評価する臨床試験を行いました。
がんが消滅もしくは縮小(complete or partial disappearance)したと判断しうる割合は、ホルモン療法だけを受けた患者では53%でしたが、併用療法を受けた患者では95%パーセントに達しました。
注目すべきは治療後の生存期間の平均値で、ホルモン療法だけを受けた患者の約3年と比べて、併用療法を受けた患者では約7.5年と明らかに高い数値を示しました。
Hormone therapy in this trial consisted of injections of an agent that reduced the production of androgens (particularly testosterone) in the body.
Ninety-five percent of patients who received the combination treatment experienced a complete or partial disappearance of their cancer, compared to only 53% of patients who received only hormone therapy.
Importantly, the average duration of survival following therapy was significantly higher in patients who received both Novantroneツョ and hormone therapy, nearly 7.5 years, compared to 3 years for patients receiving only hormone therapy.
最近、イギリスの研究者は、局所進行前立腺癌患者を対象とし、ホルモン単独療法・・・アンドロゲン(特にtestosterone)の生産を抑える薬剤(LH-RHアナログ剤)・・・と、ホルモン療法と化学療法(ミトキサントロン)の併用療法を比較評価する臨床試験を行いました。
がんが消滅もしくは縮小(complete or partial disappearance)したと判断しうる割合は、ホルモン療法だけを受けた患者では53%でしたが、併用療法を受けた患者では95%パーセントに達しました。
注目すべきは治療後の生存期間の平均値で、ホルモン療法だけを受けた患者の約3年と比べて、併用療法を受けた患者では約7.5年と明らかに高い数値を示しました。
2009年2月10日火曜日
NOTES(経管腔的内視鏡手術)
外科手術は、侵襲の大きい外部からの切開から、内視鏡やロボットなどを利用した低侵襲手術へ移行しつつありますが、
このNOTESという手法はそれをさらに進化させたもの。
内視鏡の進入口(あるいは臓器の摘出口)を人体の自然孔、口(胃壁)、肛門(大腸壁)、膣(膣壁)等を利用することで、
より患者への負担を少なくし、傷跡もより目立たなくすることができるという。
現段階でヒトに応用されているのは経胃と経膣の2つで、腸壁への応用は感染制御法の確率が先決。
ただ、内視鏡の操作性などの問題から「ピュア(完全)NOTES」は少なく、腹腔鏡のアシストを伴う「ハイブリッド(混合)NOTES」が大勢。
インドや南米では臨床応用がすでに盛んに行われているとのこと。
【参考実施例】
・従来なら開腹をしなければわからなかった膵がんの病期診断を、口からの内視鏡で経胃的に腹腔内観察を行う。
(大分大第一外科北野正剛教授)
・経膣的胃粘膜下腫瘍切除を55歳女性と63歳女性に対して施行し成功。術後の疼痛の訴えは皆無に近かった。
(阪大消化器外科中島清一助教)
・経膣的腎移植(48歳の女性から姪に)に成功。ドナーには特に低侵襲性(痛み・傷跡が小さい)が求められる。
(米国:ジョンス・ホプキンス大)
前立腺切除に、はたしてNOTESが応用できるのか?
直腸経由となるので、傷口からの感染がやはり一番問題になるでしょうね。
会陰式同様リンパ節の郭清は難しいと思うので、初期がんに限られるでしょうし、
初期がんなら、ブラキセラピーなどもっと楽な方法もありますね。
腎臓の手術でもオトコは膣がないので難しいでしょうね。ここでも女性優位?
このNOTESという手法はそれをさらに進化させたもの。
内視鏡の進入口(あるいは臓器の摘出口)を人体の自然孔、口(胃壁)、肛門(大腸壁)、膣(膣壁)等を利用することで、
より患者への負担を少なくし、傷跡もより目立たなくすることができるという。
現段階でヒトに応用されているのは経胃と経膣の2つで、腸壁への応用は感染制御法の確率が先決。
ただ、内視鏡の操作性などの問題から「ピュア(完全)NOTES」は少なく、腹腔鏡のアシストを伴う「ハイブリッド(混合)NOTES」が大勢。
インドや南米では臨床応用がすでに盛んに行われているとのこと。
【参考実施例】
・従来なら開腹をしなければわからなかった膵がんの病期診断を、口からの内視鏡で経胃的に腹腔内観察を行う。
(大分大第一外科北野正剛教授)
・経膣的胃粘膜下腫瘍切除を55歳女性と63歳女性に対して施行し成功。術後の疼痛の訴えは皆無に近かった。
(阪大消化器外科中島清一助教)
・経膣的腎移植(48歳の女性から姪に)に成功。ドナーには特に低侵襲性(痛み・傷跡が小さい)が求められる。
(米国:ジョンス・ホプキンス大)
前立腺切除に、はたしてNOTESが応用できるのか?
直腸経由となるので、傷口からの感染がやはり一番問題になるでしょうね。
会陰式同様リンパ節の郭清は難しいと思うので、初期がんに限られるでしょうし、
初期がんなら、ブラキセラピーなどもっと楽な方法もありますね。
腎臓の手術でもオトコは膣がないので難しいでしょうね。ここでも女性優位?
2009年2月6日金曜日
ダヴィンチ手術について
■医学的に期待しうる効果
- Improved cancer control
がん制御率の向上
- Early return of urinary function
排尿関連機能の早期回復
- Improved outcomes for potency
性機能を保持する可能性の向上
■術者(医師)から見たメリット
- Enhanced 3D view of the operating area
3次元画像の進歩による操作視野の向上
- Improved dexterity
器用さを発揮するための操作性の向上
- Greater surgical precision
手術精度の飛躍的増大
- Increased range of motion
操作可能範囲が広がった
- Improved access
とっつきやすい術式である
- Reproducibility
再現性がある
■患者から見たメリット
- Less pain following the operation
低進襲手術である(痛みが少なく傷跡も小さい)
- Fewer complications
煩わしさが減る
- Less risk of infection
感染の危険性が低い
- Less anesthesia
麻酔が少ない
- Less blood loss
失血が少ない
- Shorter hospital stay
入院が短くなる
- Faster and more complete recovery
より速くて、より完全な回復
- Quicker return to normal daily activities
通常の毎日の活動への、より迅速なリターン
2009年1月12日月曜日
骨転移の対処法
骨転移の対処法としては、次のような対応が一般的です。
1)まずは疼痛緩和を強く要望する
痛みからの解放は、患者の権利でもあり、がん対策基本法でも重要項目として
取り上げられている緩和医療の精神です。
ただし、緩和ケア(WHO方式3段階除痛ラダー)に習熟した医師であることが必須。
習熟した医師でもこれが効かない場合(骨痛の場合これもありえる)は(2)
2)神経ブロック あるいは オピオイド(医療用麻薬)のくも膜下投与。
これで痛みは取れるはずですが、やはりその技量を持った医師が必要です。
また、これだけでは骨転移そのものは改善しない為、以下の併用が望ましい。
3)ビスフォスフォネート剤(ゾメタ等)の静注。
4)骨転移が限局的であれば放射線の外部照射。
5)骨転移ヶ所が多ければ放射性同位元素(メタストロン)の静注。
ただしこの処置ができる医療機関は限られています。
以上ですが、主治医とも良く相談なさってみてください。(私見)
1)まずは疼痛緩和を強く要望する
痛みからの解放は、患者の権利でもあり、がん対策基本法でも重要項目として
取り上げられている緩和医療の精神です。
ただし、緩和ケア(WHO方式3段階除痛ラダー)に習熟した医師であることが必須。
習熟した医師でもこれが効かない場合(骨痛の場合これもありえる)は(2)
2)神経ブロック あるいは オピオイド(医療用麻薬)のくも膜下投与。
これで痛みは取れるはずですが、やはりその技量を持った医師が必要です。
また、これだけでは骨転移そのものは改善しない為、以下の併用が望ましい。
3)ビスフォスフォネート剤(ゾメタ等)の静注。
4)骨転移が限局的であれば放射線の外部照射。
5)骨転移ヶ所が多ければ放射性同位元素(メタストロン)の静注。
ただしこの処置ができる医療機関は限られています。
以上ですが、主治医とも良く相談なさってみてください。(私見)
2009年1月9日金曜日
東大、数学モデル用いた前立腺がんの治療法を開発
東京大学生産技術研究所の合原一幸教授らは、数学モデルを用いた前立腺がんの治療法を開発した。前立腺がんの大きさを反映する、糖たんぱく質の一種「前立腺特異抗原(PSA)」に着目。微分方程式を応用し、PSAの数値から投薬の最適なタイミングを患者ごとに割り出す。有効な治療法の提供につながるため、患者のQOL(生活の質)の向上が期待できる。 前立腺がんに対し、国内の多くの病院では抗男性ホルモン剤などを投与するのが一般的。ただ投与をそのまま続けていくと効果が薄れ、がんが再発してしまうことがある。そのためPSAに応じて投与を中断・再開する治療法が提唱されているものの、患者により効果にバラつきがあるのが難点だった。(日刊工業新聞 2008年12月24日)
意味がもひとつ分かり難い記事ですが、推測するにどうも前立腺がんに詳しくない記者が書いたようです。
間歇療法を行う時は、PSAがどの数値まで下がればホルモン剤を休止し、どの数値まで上がれば再開するかが重要なポイントとなりますが、
「患者それぞれのPSAの値(初期値かどうかは不明)から、間歇療法におけるホルモン剤投与の休止と再開のタイミングを数式で判断可能とした」と言えばもっと明快になるでしょう。
その式の中でPSAの値を函数としてどのように扱っているのかをもっと知りたいですね。
素人には理解不能なほど高度な数式なんでしょうか?(^^;;;
2009年1月8日木曜日
術前の血漿HER2、EHFR値は予後に関連
ヒト上皮増殖因子受容体-2(HER2)および上皮増殖因子受容体(EGFR)発現は前立腺癌の進行に関連することが知られている。限局性前立腺癌に対し根治的前立腺摘出術ならびに両側リンパ節切除術を施行した患者227例の術前の血漿HER2およびEGFR値を市販のELISAにより測定した。術前血漿EGFRおよびHER2の中央値はそれぞれ31.4ng/mL(4分位範囲19.2ng/mL)および10.0ng/mL(2.7ng/mL)であった。精嚢浸潤のみられた患者ではHER2が上昇していた(p=0.033)。標準的な術前予測因子で補正した個別多変量解析では、EGFRの低値、HERの高値およびHER2/EGFR比の高値がPSA増悪と関連していた(それぞれp=0.003、p<0.001およびp<0.001)。標準的な術後予測因子で補正した個別多変量解析では、EGFRの低値およびHER2/EGFR比の高値がPSA増悪と関連していた(それぞれp=0.027およびp<0.001)。PSA増悪のみられた患者ではHER2が有意に高値(p=0.023)、EGFRが低値(p=0.04)であり、侵襲性癌の特徴(転移の発症、PSA倍加時間<10か月または局所救済放射線療法無効)を示した。
根治的前立腺摘出術前の血漿HER2およびEHFR値は術後の前立腺癌の進行に関連しており、長期の無再発生存期間および早期転移の予測ツールになりうると考えられた。
↓ 原文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=Retrieve&db=PubMed&dopt=AbstractPlus&list_uids=17875766
根治的前立腺摘出術前の血漿HER2およびEHFR値は術後の前立腺癌の進行に関連しており、長期の無再発生存期間および早期転移の予測ツールになりうると考えられた。
↓ 原文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=Retrieve&db=PubMed&dopt=AbstractPlus&list_uids=17875766
デガレリクス(Gn-RHアンタゴニスト)
米国食品医薬品局(FDA)2008年12月29日の発表によると、FDAは注射剤degarelix〔デガレリクス〕を前立腺がん治療薬として承認した。前立腺がん治療薬では数年ぶりの新薬となる。
Degarelixは進行性前立腺癌の治療を目的とする、Gn-RH(*)アンタゴニスト(受容体拮抗薬)。
リュープリンやゾラデックス等のLH-RHアゴニストがLH-RH受容体の働きを刺激する(ダウンレギュレーション作用で結局は抑制に働く)のに対し、
デガレリクスは同受容体と拮抗して直ちに抑制作用を発揮させるのが特徴。
この薬群は、前立腺癌が成長し続けるうえで重要な役割をもつテストステロンを抑制し前立腺癌の成長と進行を遅らせ、去勢と同等の状態を作り出す。
これまでのLH-RHアゴニスト(アナログ剤)というのは、要するにLH-RHの類似偽薬ですから、
LH-RHの自然な反応として、一時的せよテストステロンの上昇を招くことがあります(フレアーアップ現象)。
その過剰連続刺激に対する防御反応から、今度はレセプターが減少しテストステロンの産生が抑制されるわけですから、
初期投与時には、前もって抗男性ホルモンでテストステロンを下げておく等、それなりの注意が必要でしたが、アンタゴニストであるデガレリクス(degarelix)は直接テストステロンの産生を抑制するので、フレアーアップ現象はみられず、その必要はありません。
どちらの薬剤の投与でも、患者のほぼ全員に、精巣摘出術と同等レベルのテストステロン抑制効果があり、副作用に関しては類似しており特に優劣はありません。
* GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン):
FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)を下垂体前葉から分泌させるペプチドホルモンで、視床下部で合成、分泌される。
Degarelixは進行性前立腺癌の治療を目的とする、Gn-RH(*)アンタゴニスト(受容体拮抗薬)。
リュープリンやゾラデックス等のLH-RHアゴニストがLH-RH受容体の働きを刺激する(ダウンレギュレーション作用で結局は抑制に働く)のに対し、
デガレリクスは同受容体と拮抗して直ちに抑制作用を発揮させるのが特徴。
この薬群は、前立腺癌が成長し続けるうえで重要な役割をもつテストステロンを抑制し前立腺癌の成長と進行を遅らせ、去勢と同等の状態を作り出す。
これまでのLH-RHアゴニスト(アナログ剤)というのは、要するにLH-RHの類似偽薬ですから、
LH-RHの自然な反応として、一時的せよテストステロンの上昇を招くことがあります(フレアーアップ現象)。
その過剰連続刺激に対する防御反応から、今度はレセプターが減少しテストステロンの産生が抑制されるわけですから、
初期投与時には、前もって抗男性ホルモンでテストステロンを下げておく等、それなりの注意が必要でしたが、アンタゴニストであるデガレリクス(degarelix)は直接テストステロンの産生を抑制するので、フレアーアップ現象はみられず、その必要はありません。
どちらの薬剤の投与でも、患者のほぼ全員に、精巣摘出術と同等レベルのテストステロン抑制効果があり、副作用に関しては類似しており特に優劣はありません。
* GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン):
FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)を下垂体前葉から分泌させるペプチドホルモンで、視床下部で合成、分泌される。
2008年12月12日金曜日
RI標識モノクローナル抗体の治療メカニズム
放射線治療は、従来、放射性同位元素線源あるいは他の放射線照射装置を用いて体外から特定部位の患部に向けて放射線を照射するか、特定患部に放射性同位元素を含んだ小型器具を挿入留置しそこで照射するものであった。それに対し、ここで取り上げる放射線治療は、RIで標識された薬剤を体内に投与し、この薬剤が体内で存在する場所(病変部)をRIから放出される放射線で照射する、即ちミクロのレベルで内側から照射するものである。よって、標的病変への照射は、RIのキャリアーである薬剤の体内分布によって決定される。もし、化合物が病変部位に特異的に結合しそれ以外の正常組織に結合せず、かつ、放射線の飛程が非常に短かければ、高濃度に薬剤が存在する病変部位の放射線照射線量は、正常組織に比べて高くなる。実際、β線のエネルギーは、生体組織内では発生位置から飛程2~3mm以内ですべて吸収される。 β線放出核種を運搬するモノクローナル抗体は、血中投与されると血流にのって全身に分布し、自分自身で癌細胞などを探してそこに安定的に結合する。これにより、癌組織は集中的に放射線照射を受け、一方、癌組織以外の正常組織はあまり照射されない。これが、RI標識モノクローナル抗体によるRI治療の基本コンセプトであり、薬物動態に基づく選択的放射線照射が最大の特徴である。この治療法のメリットは、体外から狙った場所以外照射できない体外照射法と違って、全身を対象に治療でき、診断では発見できなかった小さな病変ももらさず照射し得ることにある。 1980年代より、血液腫瘍・黒色腫・肺癌・乳癌・大腸癌などに選択的に結合するモノクローナル抗体を、I-131・Y-90・Ho-166・Lu-177・Re-186などのβ線放出核種で標識し、それを用いてがん細胞移植マウスで治療実験が行われた。1990年代に入り、特に高い治療効果が期待されたNHL(非ホジキンリンパ腫)で臨床試験が行われた。
2008年11月14日金曜日
クモ膜下オピオイド投与
薬剤がモルヒネだけだった時代は疼痛コントロール率は6割程度だったが、近年はオピオイドのバリエーションが増え、WHO提唱の適切な処置を行えば、9割近くの患者は疼痛が取れるようになった。
残る1割に対しても、疼痛コントロール専門施設(ペインクリニックや疼痛麻酔科)では、良く施される神経ブロック以外にも「クモ膜下オピオイド投与」が用いられつつある。これは、オピオイドやNSAIDsが効かない難治性の痛みに対し、皮下埋め込み型ポートを使ってくも膜下にオピオイドを投与するもので、手術時の麻酔手法を疼痛緩和に用いたもの。 痛みさえ緩和されれば普通に生活できる患者でも、強い疼痛が除去できないためにオピオイドを増量しなければならず、傾眠がちになって、結果的にQOLを大きく下げてしまっているという現状があるが、クモ膜下オピオイド投与はこういったケースに劇的に効き、寝たきりだった患者さんが普通の生活ができるほどになることもある。
(その他、疼痛緩和の注意事項)
胸水の貯留による苦悶感は、胸水のコントロールが先。
長期臥床患者で気をつけなければならないのは、廃用性の痛み。
フェンタニルは便秘の出現率がほかのオピオイドより低いが、それでも排便コントロールに油断があってはならない。
残る1割に対しても、疼痛コントロール専門施設(ペインクリニックや疼痛麻酔科)では、良く施される神経ブロック以外にも「クモ膜下オピオイド投与」が用いられつつある。これは、オピオイドやNSAIDsが効かない難治性の痛みに対し、皮下埋め込み型ポートを使ってくも膜下にオピオイドを投与するもので、手術時の麻酔手法を疼痛緩和に用いたもの。 痛みさえ緩和されれば普通に生活できる患者でも、強い疼痛が除去できないためにオピオイドを増量しなければならず、傾眠がちになって、結果的にQOLを大きく下げてしまっているという現状があるが、クモ膜下オピオイド投与はこういったケースに劇的に効き、寝たきりだった患者さんが普通の生活ができるほどになることもある。
(その他、疼痛緩和の注意事項)
胸水の貯留による苦悶感は、胸水のコントロールが先。
長期臥床患者で気をつけなければならないのは、廃用性の痛み。
フェンタニルは便秘の出現率がほかのオピオイドより低いが、それでも排便コントロールに油断があってはならない。
2008年11月8日土曜日
耐性がんの原因は「RPN2」遺伝子の働き
中日新聞他 2006 /9
抗がん剤が効かなくなる耐性をがん細胞に持たせる遺伝子のひとつを【国立がんセンター研究所】や【大阪府立成人病センター】のグループなどが特定した。この遺伝子の働きを抑えることで抗がん剤の効き目を回復させられる可能性があるという。
研究グループは「RPN2」と呼ばれる遺伝子が、がん細胞の内部から外部へポンプのように抗がん剤をくみ出すたんぱく質の働きを調整していることを発見。
RNAの断片を細胞に入れ遺伝子の働きを抑えるRNA干渉という手法を用い、マウスに移植した薬剤(ドセタキセル)耐性乳がんでRPN2が働かないようにしたところ、抗がん剤が劇的に効くようになり、直径5ミリあったがんが7日間で1ミリ以下に縮小した。
抗がん剤が効かなくなる耐性をがん細胞に持たせる遺伝子のひとつを【国立がんセンター研究所】や【大阪府立成人病センター】のグループなどが特定した。この遺伝子の働きを抑えることで抗がん剤の効き目を回復させられる可能性があるという。
研究グループは「RPN2」と呼ばれる遺伝子が、がん細胞の内部から外部へポンプのように抗がん剤をくみ出すたんぱく質の働きを調整していることを発見。
RNAの断片を細胞に入れ遺伝子の働きを抑えるRNA干渉という手法を用い、マウスに移植した薬剤(ドセタキセル)耐性乳がんでRPN2が働かないようにしたところ、抗がん剤が劇的に効くようになり、直径5ミリあったがんが7日間で1ミリ以下に縮小した。
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