2011年2月14日月曜日

2011年2月13日日曜日

NCCNガイドライン日本語版について

NCCNガイドライン日本語版の前立腺がん治療フローチャートですが、
いくつか疑問点があり、今日、先端医療振興財団に問合せメールを入れてみました。
一患者からのメールにお返事がいただけるかどうか・・・
質問は以下の5項目です。

1)超低リスクという概念が2010年より新たに採用されましたが、
PROS1では超低リスク群のステージがT1aとなっており、
PROS2では超低リスク群のステージがT1-T2aとなっています。
原文(V.2.2010)ではT1cとなっておりますが、いずれが正解でしょう?

2)PROS2~4において、「経過観察」という用語と
「モニタリング」という用語が混在していますが、
これらは同じものではありませんか?・・・それとも異なる内容でしょうか?

3)PROS4、5において、PSA値が「検出限界未満」という表現が見られますが、
良く用いられる高感度PSA測定ではかなり小さな値も検出可能ですが、
これはを高感度PSAを前提としているのでしょうか?

4)PROS5において、「その後の2回のPSA測定で、検出限界以上となる」
という訳文がありますが、意味がわかりかねます。
「PSAが検出可能となり、2連続上昇を示す」ということではないでしょうか?

5)PROS8において、「神経内分泌腫瘍ではない」という表現が、
「生検を考慮」からの分岐として、上下2段で用いられていますが、
下段は、「神経内分泌腫瘍」とし、
”ではない”を削除するのが正解ではないでしょうか?

2011年2月9日水曜日

NCCNガイドライン

NCCN前立腺がん治療ガイドライン「フローシート」の日本語版を作成しました。

医療者向けのガイドラインの全文(日本語版)は、すでに先端医療振興財団のHPにアップされていますが、
http://www.tri-kobe.org/nccn/guideline/urological/japanese/prostate.pdf

この「フローシート」は、どちらかと言えば患者向けのガイドラインです。
医療者用ガイドラインをベースとしながらも、意味がわかりにくい所では、適宜患者向けのガイドライン(英語版)を参照し、できるだけ読みやすくしたつもりです。
ただ、ツリー構成で9ページありますから、辿るのが大変。
パラパラとページをめくったぐらいでは、ちょっと判りにくいかもしれません。
もし、興味がありましたら、ダウンロード(下の表紙をクリック)して、じっくり目を通してみてください。


2011年1月27日木曜日

TAK-700

 TAK-700は、非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬。男性ホルモンの生成に重要な役割をもつ酵素(17,20-リアーゼ)の働きを阻害、精巣および副腎の両方に由来する男性ホルモンの生成を抑制する。

米国で進行性前立腺癌患者を対象としたフェーズ3国際試験が開始された。(2010/11)
ドセタキセルをベースとした化学療法が無効であり、かつ一般的なホルモン療法に抵抗性を示す転移性前立腺癌患者を対象として、プレドニゾンとプラセボ投与群を対照とし、プレドニゾンとTAK-700投与群を比較する。主要評価項目は、全生存期間と無増悪生存期間。
日本も米国よりは遅れるがこの国際試験に参加する予定。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201011/517374.html&cnavi=1

2011年1月23日日曜日

プロベンジ

2010年4月29日、米国FDAはデンドレオン社が開発した前立腺がん治療ワクチン「プロベンジ」を承認しました。
これは世界で初めて、かつ、他種のがんに先駆けて承認されたがん治療ワクチンです。
FDAに提出された二重盲検臨床治験のデータによれば、プロベンジの投与で生存期間は4.1か月延長されたとのことで、
これは驚異的な数値です。

 プロベンジはホルモン療法抵抗性前立腺がん(HRPC)患者を対象とし、患者の血液から採取した免疫細胞(抗原提示細胞)を、前立腺がんの殆どに発現が見られるPAP蛋白質を加えて体外で培養したもので、これを患者に戻すことで抗腫瘍効果を発揮します。
プロベンジは、自覚症状がほとんどなく全身状態が良好な患者を対象とし、内臓障害がある場合や、期待余命が6ヵ月未満の患者には推奨されておりません。
 プロベンジの費用は、9万3000ドル(800万円)と高額ゆえ、発売当初はその普及に疑問が持たれたのですが、すでにプロベンジの製造が需要に追いつかなくなり、デンドレオン社は2011年 中旬を目途に製造設備の拡張を始めているとのこと。

 2010年11月、米国のメディケア(高齢者・障害者向け国営保険)諮問委員会が、プロベンジを保険償還するように推奨しました。多くの関係者は今年そのまま承認されると考えています。
 メディケアへの償還が実現すれば、プロベンジは米国だけで年間17.5億ドルを売り上げると予想されています。
特許切れまでに世界での売り上げは数兆円に達します。デンドレオン社に莫大な収入と米国に莫大な税収をもたらすでしょう。
これにより、米国ががんワクチンなどを含も医療分野を成長戦略の柱と認識していることが明らかとなりました。
プロベンジの成功を受け、世界的にがん治療ワクチンの開発競争が激しくなっているのが現状です。

2011年1月18日火曜日

粒子線治療施設

国内の粒子線治療施設(予定を含む)は以下の通りです。


【重粒子線】
・重粒子医科学センター病院(放医研) (千葉県千葉市)
・兵庫県立粒子線医療センター (兵庫県たつの市)
・群馬大学重粒子線医学研究センター (群馬県前橋市)
・九州国際重粒子線がん治療センター (佐賀県鳥栖市 ※…2013年以降の開始予定)

【陽子線】
・兵庫県立粒子線医療センター (兵庫県たつの市)
・筑波大学陽子線医学利用研究センター (茨城県つくば市)
・国立がんセンター東病院 (千葉県柏市)
・静岡県立がんセンター(静岡県駿東郡)
・若狭湾エネルギー研究センター (福井県敦賀市)
・福井県陽子線がん治療センター (福井県福井市 ※…2011年3月開始予定)
・がん粒子線治療研究センター (鹿児島県指宿市 ※…2011年4月開始予定)
・南東北がん陽子線治療センター (福島県郡山市)
・相澤病院 (長野県松本市)
・クオリティライフ21城北 (愛知県名古屋市 ※…2012年以降の開始予定)

2010年12月10日金曜日

IMRT(強度変調放射線治療)実施施設

日本放射線腫瘍学会(JASTRO)によると、次の47施設です。

【北海道・東北】
札幌医科大学附属病院
北海道大学病院
旭川医科大学病院
東北大学病院

【関東】
栃木県立がんセンター
医療法人社団日高会 日高病院
埼玉医科大学国際医療センター
千葉県がんセンター
国立がんセンター東病院
国立がんセンター中央病院
慶應義塾大学病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京大学医学部附属病院
がん・感染症センター都立駒込病院
癌研有明病院
東京女子医科大学病院
杏林大学医学部付属病院
横浜市立大学附属病院
茅ヶ崎徳州会総合病院

【甲信越】
新潟県立がんセンター新潟病院
社会医療法人財団慈泉会 相澤病院

【中部・東海】
社会医療法人厚生会 木沢記念病院
聖隷浜松病院
愛知県がんセンター中央病院・研究所
名古屋大学医学部附属病院
名古屋市立大学病院
名古屋第二赤十字病院

【近畿】
市立伊勢総合病院
滋賀医科大学医学部附属病院
大津赤十字病院
京都大学医学部附属病院
大阪大学医学部附属病院
大阪府立成人病センター
松下記念病院
近畿大学医学部附属病院
先端医療センター病院
天理よろづ相談所病院
奈良県立医科大学附属病院

【中・四国】
財団法人倉敷中央病院
JA広島厚生連 廣島総合病院
広島大学病院
山口大学医学部附属病院
川崎医科大学附属病院
四国がんセンター

【九州】
九州大学病院
済生会熊本病院
熊本大学医学部附属病院

 注(1):上記は2010年調べですが、その後IMRT実施施設は増え続け、
    2012年(春)には109施設と、倍以上になっています。

 注(2):2008年(春)現在のIMRT先進医療指定は次の19施設でした。
   http://higepapa.blogspot.jp/2008/10/blog-post_03.html

2010年12月8日水曜日

骨転移にはデノスマブ

(NCI Cancer Bulletin2010年11月30日)抜粋

モノクローナル抗体製剤であるデノスマブは、骨折リスクが高い閉経後女性の骨粗鬆症の治療を目的として2010年6月に承認(米国)されたが、固形腫瘍からの骨転移を有する患者における骨関連事象の予防を目的として、骨粗鬆症より高用量での追加承認を取得した。
追加承認を受けたデノスマブ(Xgeva)の癌患者への投与は、4週間に1回、120mg(注射)。

総計5723人の患者を対象とした3つの国際的な大規模臨床試験では、乳癌の女性患者と前立腺癌の男性患者の治療において、さまざまな種類の癌患者が骨折や脊髄圧迫を発現したり、骨痛のための手術や放射線治療の必要性が生じたりするまでの期間を延長したという点で、デノスマブはゾレドロン酸(ゾメタ)より優れていた。

2010年10月20日水曜日

酢酸アビラテロンは第Ⅲ相臨床試験でも良好な結果を示す

<第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO) Johann de Bono氏(英)の発表>

 フェーズ3の無作為化試験の結果、 化学療法(ドセタキセル)が無効となったホルモン抵抗性の転移性前立腺癌患者に対し、
酢酸アビラテロンの投与が、全生存期間(OS)を延長することが認められた。
 酢酸アビラテロンは、CYP17を選択的に遮断し、アンドロゲン合成(persistent androgen synthesis;PAS)を強力かつ持続的に阻害する。

 試験対象は、13カ国の147施設から参加した、ドセタキセルベースの化学療法の治療歴がある去勢抵抗性の転移性前立腺がん患者1195人。
 まずは被験者を次の2群に分けた。
AA群   :酢酸アビラテロン(経口)を1日1回1000mg、プレドニゾン5mgを1日2回投与する群(797人)
プラセボ群:プラセボとプレドニゾンを投与する群(398人)

 治療前の病状は次の通り。
       PSA中央値、 骨転移、 リンパ節転移、  肺転移、  肝転移
AA群   :128.8ng/mL、 89.2%、  45.4%、  13.0%、  11.3%
プラセボ群:137.7ng/mL、 90.4%、  41.5%、  11.4%、   7.6%

 主要評価項目は全生存期間:OS、副次的評価項目はPSAが上昇するまでの期間:TTPP、rPFS、PSA値における奏効率とした。
 その結果を示すとこのようになる。
        OS、   TTPP、   rPFS、  PSA奏功率
AA群   :14.8ヵ月  10.2ヵ月  5.6ヵ月  38.0%
プラセボ群:10.9ヵ月   6.6ヵ月  3.6ヵ月  10.1%

 全グレードの有害事象はAA群で98.9%、プラセボ群で99%に発現し、グレード3以上の有害事象は54.5%と58.4%だった。
グレード3以上の有害事象による治療中止は、AA群10.5%、プラセボ群13.5%となった。有害事象による死亡は、AA群11.6%、プラセボ群14.7%だった。
 AA群で多く観察された有害事象は、体液貯留、低カリウム血症、肝機能異常、高血圧であったが、グレード3以上はいずれも5%未満だった。

参考:http://higepapa.blogspot.com/2009/03/abiraterone.html

出典:日経メディカル

2010年10月13日水曜日

骨転移を促す遺伝子を特定

NHKニュース 2010年10月11日
がんが骨に転移する「骨転移」を促すとみられる遺伝子を特定し、その働きを抑えて実際に骨転移を防ぐことに、慶応大学のグループがマウスを使った実験で成功しました。骨転移を予防する薬の開発につながる可能性があると注目されています。
がんが骨に転移する骨転移は、骨折や強い痛みを引き起こし、がんを治療するうえで大きな障害となります。このため、慶応大学先端医科学研究所のグループは、骨転移を起こしやすい乳がんや前立腺がんなどのがん細胞で、骨の病気に関係する50の遺伝子がどのように働いているか詳しく調べました。その結果、「FRP」という遺伝子の働きが異常に高まっていることがわかったということです。さらに、FRPにくっついて働きを抑える物質を作り、ヒトのがん細胞を移植したマウスに投与したところ、ほとんど骨転移が起こらないことを確認したとしています。このマウスではリンパ球など免疫を担う細胞が活発になっていたということで、研究グループでは、FRPが免疫の機能を抑え骨転移を促しているのではないかとしています。研究グループの工藤千恵講師は「FRPの働きを抑える薬を開発すれば、骨転移を予防できる可能性がある。治療に使えるよう研究を進めたい」と話しています。

2010年8月19日木曜日

ホルモン療法単独より放射線療法を追加すべき(局所進行前立腺がん)

(NCIキャンサーブレティン2010年6月15日号参照)

1995~2005年の間に行われた国際共同第3相試験の結果によると、アンドロゲン除去療法(ADT)に放射線療法を追加すると、局所進行前立腺癌男性の死亡リスクを43%減少させることが判明した。このデータは先週シカゴで行われたASCO年次総会で発表された。

ADT+放射線療法を受けた男性は、ADT 単独療法を受けた男性よりも10年間の前立腺癌死亡率は少ない(15%対23%)だろうと、研究者らは予測している。最終結果はあと数年で明らかになると期待される。

「この結果は2010年でも意味があると確信している。未だに、高リスク患者の約50%がADT単独で治療されている」とWarde氏は述べた。
ここ10年は放射線治療技術の進歩が著しく、本試験の放射線治療追加の効果は、過少評価されている可能性があると、同氏は述べた。

2010年7月7日水曜日

普及するか、ダヴィンチ手術

昨年11月、ジョンソン・エンド・ジョンソンが海外の臨床試験データを基に手術支援ロボット、
ダヴィンチの薬事承認を取得。この3月からようやく国内での販売がスタートした。
ダヴィンチ本体の価格は3億円程度だが、機器や消耗品にも費用がかかる。
また、これとは別に、年間のメンテナンス費用が約2500万円になるとみられている。

前立腺がんの手術では、腹腔鏡は慣れるまでに80~100症例の経験が必要だが、
ダヴィンチでは10~20症例で良いという。
指先の動きを1/3、1/5に縮小して伝えることができるため、精密な操作もやり易い。
出血量も開腹手術より少なく、患者の負担が少ない低侵襲手術といえる。
「触覚がない」のが欠点だが、これは視覚情報の優位性で補わざるを得ない。

我国では、前立腺がんの腹腔鏡手術は全体の1割以下程度とみられ、開放手術が中心だが、
米国では、すでに85%以上の手術が、1000台以上のダヴィンチにより行われている。

参照 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201007/515535.html

カバジタキセル(商品名:Jevtana)

進行したホルモン不応性前立腺がんの患者にとっては、ドセタキセルが最後の砦ではなく、
新しいタキサン系抗癌剤、カバジタキセル(商品名:Jevtana)によって生存期間の延長が認められた(第Ⅲ相治験)ことは、すでにこの掲示板でもお知らせしました。
これを受けて、米食品医薬品局(FDA)は優先審査プログラムとして審査を行っていましたが、
6月17日、カバジタキセル(Jevtana)をプレドニゾン(ステロイド剤)との併用で承認しました。
ドセタキセルで治療中あるいは治療後に病勢が進行したホルモン不応性前立腺がんは、
これまでほとんど治療の選択の余地がなかったわけですが、この薬剤が初の適応となるわけです。
申請から承認まで11週間のスピード審査で、米国医療行政の面目躍如といったところですが、
我が国ではいったいどうなるんでしょうね。

2010年6月14日月曜日

ラジウム223を用いた放射性医薬品アルファラディン

アルファ線放出核種ラジウム223を用いた放射性医薬品アルファラディン(Alpharadin) は、ホルモン不応性前立腺癌の骨転移に対し、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の試験結果から、忍容性を保ちながら全生存期間の延長も期待できる可能性が示されました。(ASCO2010)
アルファラディンは現在、国際共同第Ⅲ相臨床試験が行われていますが、日本はこれに参加していません。

現在、体内照射として用いられているストロンチウム-89(メタストロン注)は、ベータ線を放出する放射性同位元素で、体内ではカルシウムと同様の働きをするので、骨転移病巣に集まりやすく、集中的に骨転移病巣に放射線が照射され、多発性骨転移などで外部照射が困難な場合でも疼痛の緩和がはかれる可能性があります。

アルファ線(ラジウム223)はベータ線(ストロンチウム-89)に比べて放射線量が数倍大きく、逆に飛距離と崩壊時間が短いのが特徴。

2010年5月18日火曜日

ペプチドワクチン 先進医療

(厚労省「先進医療専門家会議」)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/27652.html
5/18の厚労省「先進医療専門家会議」で、ホルモン不応性再燃前立腺がんに対する「ペプチド・ワクチン療法」が先進医療として認められた。
適応はドセタキセル不適格のホルモン不応性再燃前立腺がんで、ヒト白血球抗原HLA-A24が陽性のもの。
免疫性が高いと推測されるがんペプチドを、それぞれ患者ごとにテーラーメイド治療を行うことで、より早く、強力な特異免疫賦活効果を狙う治療法。
患者自身のがん免疫機能を活発化することで、生命予後の延長やQOLの向上につながることが期待され、技術を申請した久留米大病院の臨床研究では、
24%の患者についてPSA値が50%以上低下した。

ペプチドワクチン 臨床試験

(第98回日本泌尿器科学会総会発表)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jua2010/201005/515081.html
岩手医大の小原氏らは、東大医科学研究所との共同研究で、遺伝子のスクリーニングによって、前立腺癌に高頻度に発現する遺伝子CDCA1を同定した。
CDCA1由来の「HLA-A24拘束性エピトープペプチド」を作製し、ドセタキセル抵抗性の再燃前立腺癌に対し、このペプチドを標的とした癌ペプチドワクチンの
医師主導型第1/2相試験を行ったところ、重篤な全身有害事象はなく安全に施行できることが示された。
効果の判明まではまだ時間がかかるが、小原氏は「ドセタキセル抵抗性患者に対する治療として期待できる」と述べた。

2010年5月17日月曜日

MDV3100(経口アンドロゲン受容体拮抗薬)

経口アンドロゲン受容体拮抗薬MDV3100を、アンドロゲン非依存性の転移性前立腺癌患者に適用したところ、フェーズ1/2試験で好結果が得られた。(Lancet誌電子版4/15 米Medivation社&アステラス製薬)

治療法の選択肢が限られており、余命1年以下と推定される末期の前立腺癌患者において、MDV3100はPSAレベルを低下させ、腫瘍の縮小または病態安定をもたらし、末梢血中の循環癌細胞(CTC)の数を減らすことが明らかになった。
MDV3100は、3つの作用点に働きかけてアンドロゲン受容体拮抗作用を発揮するというユニークな作用機序を持つ。
リスクとベネフィットのバランスは良好と判断され、既に多施設無作為化フェーズ3AFFIRM試験が進行中。

2010年5月16日日曜日

ホルモン療法+ゾレドロン酸(ゾメタ)

横浜市大の上村博司氏らは、4月下旬盛岡市で開催された第98回日本泌尿器科学会総会で以下の発表をした。
骨転移がある前立腺癌に対し、ホルモン療法にゾレドロン酸(ゾメタ)を併用することでPSA値が顕著に低下し、PSA最低値は低く、PSA正常化率は高く、再燃までの期間を延長する可能性が示された。
神奈川県下の多施設共同臨床試験で、骨転移の広がりが6ヵ所以上で、ホルモン療法未治療の臨床病期D2前立腺癌患者28人が対象。
PSA初期値の中央値は239だったが、PSA正常化率(4以下に下がった)は75%であった。
4人でグレード2の有害事象(クレアチン上昇、歯肉炎、下顎痛、筋肉痛)が見られたため投与を中止したが、重篤なものはなかった。
PSA再燃は10人に認められ、再燃までの期間中央値は6.6カ月だった。いずれも骨関連事象(SRE)の発現はない。
「初期からゾレドロン酸を投与した方がよいだろう」と答えた。

2010年5月13日木曜日

GnRHアゴニストの副作用

FDA(米国食品医薬品局)は医療従事者および患者に対し、GnRHアゴニスト(日本ではリュープリン、ゾラデックス)の投与により、
糖尿病や心血管疾患のリスクが高まる可能性があると通達した。
ただ、FDAの審査はまだ継続中で、前立腺癌でこれらの薬剤投与を受けている患者のリスクについてはまだ結論は出ておらず、
患者は医師から投与中止を指示されない限りは、GnRHアゴニスト投与を中止すべきではない。
FDAは、これらの安全性問題を認識し、GnRHアゴニスト投与を受ける患者について糖尿病および心血管疾患の発症をモニタリングすべきであると推奨している。

http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100513hj001hj

http://www.cancerit.jp/xoops/modules/fda_files/index.php?page=article&storyid=115

2010年4月24日土曜日

期待されている新薬の色々

■デノスマブ(denosumab)
デノスマブ(denosumab)はゾレドロン酸(ゾメタ)より優れており、転移性前立腺癌患者の骨関連事象(合併症)の出現を遅らせる効果があるという報告が、2010年6月のASCO(米国臨床腫瘍学会)でなされる予定。


■MDV3100
MDV3100は第二世代の経口抗アンドロゲン剤
カソデックスよりも優れた抑制作用を示し、カソデックス抵抗性癌にも効果が見られる。
現在、ドセタキセル(タキソテール)の治療歴を有するホルモン非感受性前立腺癌患者を対象とした、国際第Ⅲ相臨床試験が行われている。


■デガレリクス
2008年末にFDAが承認し、欧米ではすでに用いられている。
LH-RHアナログ剤(リュープリン、ゾラデックス等)に対し、これはLH-RHアンタゴニスト。
フレアアップ現象(テストステロンの一時的な上昇)を来さない。

■プロベンジ
前立腺がん治療用ワクチン。
ホルモン不応答性前立腺がん患者を対象としたフェーズ3試験では全生存期間の延長が判明。
諮問委員会は17対0で薬の安全性を認め、13対4で効用を認定したが、FDAでは承認されず物議をかもす。
再審査で承認の可能性も?

■アビラテロン
性ホルモンの合成に関与する酵素「CYP17」を選択的に阻害し、精巣や副腎でのテストステロンの産生を抑える新薬。
ホルモン耐性の転移性前立腺癌で、ドセタキセルベースの化学療法が無効となった患者を対象に、フェーズ3(第3相)試験を開始している。試験終了は2011年の予定。

■カバジタキセル
新しいタキサン系抗癌剤。
進行前立腺癌の患者にとってはドセタキセルが最後の砦ではなく、Cabazitaxelによって生存期間を延長できることが第Ⅲ相治験で示された。FDAが承認審査中。・・・・・→ FDAの承認が降りました!
   http://higepapa.blogspot.com/2010/07/jevtana.html

■セディラニブ
VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤cediranib(AZD2171)が、すでにドセタキセル投与を受けた去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に有効かつ安全であることが第Ⅱ相試験で認められた。

■ピコプラチン&ドセタキセル&プレドニゾン
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の治療として、この3剤の組合せが良好で、安全性も高いことが第Ⅱ相試験で示された。