2011年2月21日月曜日

デガレリクスがファーストラインに

(ASCO GU、米Carolna Urologic Research CenterのN.D.Shore氏による発表。)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco_gu2011/201102/518568.html

リュープリンやゾラデックスに代えて、デガレリクスがファーストラインとなる日が近付いている。
GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニスト(阻害剤)であるデガレリクスは、
LH-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アナログ(促進剤)であるリュープロレリンと比べ、
PSA無増悪生存率において優れており、ホルモン療法のファーストラインとなることを示唆する結果が明らかとなった。

試験では、前立腺がん患者(全ステージ)をデガレリクス群(409人)とリュープロレリン群(201人)に割り付けた。
デガレリクス群は最初の月は240mg、その後毎月80mg(207人)または160mg(202人)を投与された。
リュープロレリン群は月当たり7.5mgが投与された。リュープロレリン群の患者はビカルタミドの投与も受けられることとされた。

その結果、PSA無増悪生存率はデガレリクス240mg/80mg群が、リュープロレリン群よりも有意に高かった(p=0.05)。
PSAが20超の患者でPSAの悪化または死亡が25%の患者で起こる期間の中央値(TTP25%)は、
デガレリクス240mg/80mg群がリュープロレリン群よりも有意に長かった(p=0.01)。

また、リュープロレリンを途中からデガレリクスに変更した場合でも、PSA無増悪生存率は有意に改善した(p=0.003)。
これはPSAが20超の患者でも同様であった。

国内で実施されたフェーズ2試験の結果、デガレリクスは日本人の前立腺癌に対しても有効で、安全に投与できることが明らかとなっている。