2012年7月13日金曜日

画像検査の必要性について(低リスクでは不要)

米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、臨床的裏付けのない一般的な検査や治療を制限し、がん診療の質を向上させる5つのレビューを発表した。(Choosing WiselyR campaign「賢い選択を」キャンペーン)
http://www.cancerit.jp/16935.html

そのうち「NO.3」が前立腺がんに関するもので、
以下のような生検結果の患者に対しては、転移の有無を見極める病期判定に際し、次のような画像検査を実施しないよう勧告している。
(No.1、2、4、5は省略)

低リスクの前立腺がん患者
(グリソンスコアが6以下でPSA値が10未満)に対しては、転移判定にあたり次のような検査技術を用いないこと。
  ・PET検査  ・CT検査  ・骨シンチ検査

これらの患者のがんの転移の可能性は極めて少なく、転移を検出するために高度画像技術を使用しても、その効果は少なく、むしろ、これらの検査は、誤診や偽陽性のリスクを増加させることが分かっており、それらの検査に起因して、必要のない侵襲的な処置や治療を受けることになり、最終的にはQOLを低下させ、ひいては寿命を縮めることにもなりかねない。

生検でがんが見つかれば、とりあえず画像検査もするというのが、日本の現状ではないかと思うのですが、低リスクの前立腺がん(GSが6以下で、かつPSAが10未満)であれば、画像検査は必要でなく、むしろすべきでない!というのが、
米国臨床腫瘍学会ASCOの新しい見解です。