MDV3100が、フェーズ3試験の中間解析で進行前立腺癌患者の全生存期間(OS)を4.8カ月延長したことが、2月24日~26日、パリで開催された欧州泌尿器学会(EAU)総会では発表された。
(2012年国際泌尿器癌会議(ASCO-GU)でも、同じ内容が発表されており、すでに紹介済みですが、こんどはもう少し詳しく紹介しておきます)
MDV3100が主要エンドポイントである全生存期間(OS)とすべての二次エンドポイントを達成したため、独立データモニタリング委員会の判断により試験は早期終了となった。(いわばコールド勝ち)
MDV3100はアンドロゲン受容体シグナル伝達を阻害することで腫瘍増殖を抑制し、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する経口剤。
ドセタキセルベースの化学療法を受けた進行前立腺癌患者1199人が
MDV3100(160mg/日)1日1錠服用群とプラセボ群に2:1で割り付けられた。
【臨床試験結果】
(主要エンドポイント) MDV3100群 プラセボ群
全生存期間(OS)中央値 18.4カ月 13.6カ月
(二次エンドポイント) MDV3100群 プラセボ群
無増悪生存期間中央値 8.3カ月 2.9カ月
PSA値が上昇するまでの期間中央値 8.3カ月 3.0カ月
PSA値が50%以上低下 54.0%低下 1.5%低下
PSA値が90%以上低下 24.8% 0.9%
最も一般的な副作用は疲労、下痢、ホットフラッシュで同薬の認容性はきわめて良好。
有害事象データには大差がなく、重篤な副作用も特になし。
デガレリクスはまだホルモン療法が有効な患者向けの薬として期待されるわけですが、
MDV3100は転移性去勢抵抗性前立腺癌(転移がありホルモン療法に耐性が生じた)患者向けの薬(経口剤)として期待されています。