2012年3月1日木曜日

デガレりクス

ここのところ評価の高いデガレりクスですが、
このたび(2012年2月28日)、スイスFerring Pharmaceuticals社より新しい発表がなされました。

「ゴセレリン+ビカルタミド」とデガレリクスの比較で、腫瘍縮小(前立腺体積の変化率)効果はほぼ同じだが、(12週の時点で、デガレリクスが-36.0%、「ゴセレリン+ビカルタミド」が-35.3%)
患者のQOLに大きな影響を与える下部尿路症状の軽減では、ゴセレリンの方が優れていたというものです。
(注:ゴセレリンやリュープロレリンというのはリュープリンやゾラデックスと同じLH-RHアナログ剤。)
有害事象発生率は両群間で差はなかった。

ついでにデガレりクスについてこれまでの情報を整理しておきます。

・デガレりクスは、Gn-RHアンタゴニスト(拮抗剤)である。
・2008年12月にFDA(米国食品医薬品局)が承認。
・リュープリン等のLH-RHアゴニストは、投与直後にテストステロンの上昇を招き
 (フレアーアップ現象)、抗テストステロン剤(カソデックス等)の併用が
 欠かせないのに対し、アンタゴニストは直接テストステロンの産生を抑制するので、
 抗テストステロン剤の併用を必要としない。
・デガレりクスと「リュープロリド(±ビカルタミド)」を比較したところ、
 デガレりクスはリュープロリドに比べ速やかにテストステロン値を低下させ、
 PSAの上昇または死亡のリスクを34%低減させ、
 PSA無増悪生存率でも有意に優れていた。

デガレリクスに関して入ってくる情報は、良いことずくめ・・・多少割り引いても期待できる薬であることに間違いはなさそうです。

MDV3100

MDV3100が、フェーズ3試験の中間解析で進行前立腺癌患者の全生存期間(OS)を4.8カ月延長したことが、2月24日~26日、パリで開催された欧州泌尿器学会(EAU)総会では発表された。
(2012年国際泌尿器癌会議(ASCO-GU)でも、同じ内容が発表されており、すでに紹介済みですが、こんどはもう少し詳しく紹介しておきます)

MDV3100が主要エンドポイントである全生存期間(OS)とすべての二次エンドポイントを達成したため、独立データモニタリング委員会の判断により試験は早期終了となった。(いわばコールド勝ち)
MDV3100はアンドロゲン受容体シグナル伝達を阻害することで腫瘍増殖を抑制し、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する経口剤。

ドセタキセルベースの化学療法を受けた進行前立腺癌患者1199人が
MDV3100(160mg/日)1日1錠服用群とプラセボ群に2:1で割り付けられた。

【臨床試験結果】

(主要エンドポイント)      MDV3100群   プラセボ群
全生存期間(OS)中央値      18.4カ月    13.6カ月

(二次エンドポイント)      MDV3100群   プラセボ群
無増悪生存期間中央値       8.3カ月     2.9カ月
PSA値が上昇するまでの期間中央値  8.3カ月     3.0カ月
PSA値が50%以上低下        54.0%低下    1.5%低下
PSA値が90%以上低下        24.8%      0.9%

最も一般的な副作用は疲労、下痢、ホットフラッシュで同薬の認容性はきわめて良好。
有害事象データには大差がなく、重篤な副作用も特になし。

デガレリクスはまだホルモン療法が有効な患者向けの薬として期待されるわけですが、
MDV3100は転移性去勢抵抗性前立腺癌(転移がありホルモン療法に耐性が生じた)患者向けの薬(経口剤)として期待されています。

2012年2月13日月曜日

IMRTは合併症が少なく病勢コントロールも良好

いまさらという気がしないでもないのですが、IMRTに関してこういう報告がありました。(ASCO GU 2012)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco_gu2012/201202/523516.html&cnavi=1

前立腺がん患者に対する強度変調放射線照射(IMRT)は、旧来の原体照射法(CRT)と比較して、合併症の発生が少なく、追加治療を必要とする割合も低く、良好な病勢コントロールが可能と考えられる。(ASCO GU 2012)

前立腺がんに対する放射線治療は、IMRTや粒子線治療など、合併症を抑えつつ線量増加を図る方法が急速に導入され、米国におけるIMRTの使用は、2000年の0.15%から、2008年には95.9%まで急速に増加している。

■IMRTとCRTの比較:2002~2006年に診断を受け、転移はなく、初期治療が放射線治療だった患者を対象

IMRT(6666人) CRT(6310人)
腸疾患      13.4(%/年)  14.7(%/年) CRTで多かった
股関節骨折    0.8       1.0      CRTで多かった
勃起障害の発生  5.9       5.3      IMRTで多かった
尿路疾患                     有意差はなし
追加治療の割合  2.5       3.1      CRTで多かった(線量の差)

■粒子線治療とIMRTの比較:2002~2007年に診断を受け、転移はなく、初期治療が放射線治療だった患者を対象

粒子線(684人) IMRT(684人)
腸疾患の発生   17.8       12.2     粒子線で多かった
その他の合併症                  有意差なし
追加治療の割合                  有意差なし

今回の結果は、前立腺癌に対する現在の標準的な放射線療法として、IMRTの使用を裏付けるもの。
腸疾患の発生でもIMRTは粒子線をしのぐ結果を出しているが、コンピュータと連動した高度な照射法が、粒子線に対する物理特性の劣勢を十分カバーしえていると推察できる。
IMRTと粒子線治療の有効性を比較する無作為化臨床試験が今後さらに必要になると思われる。

初回のPSA値は長期的な前立腺癌リスクを予測

デンマークCopenhagen大学のDavid D Orsted氏らは、初めて測定されたPSA値がそれ以降の前立腺癌罹患とこれによる死亡の予測に役立つかどうかを調べ、【ASCO GU 2012】で発表した。
(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco_gu2012/201202/523517.html&cnavi=1)

デンマーク人の一般男性4383人を、PSA値に基づいて6群に分類し、前立腺癌罹患のハザード比と前立腺癌死亡のハザード比を求めたところ、年齢にかかわらず初回のPSA検査の結果は長期的な前立腺癌リスクを予測できることを示した。

 PSA値      0.1-1.00 1.01-2.00、2.01-3.00、3.01-4.00、4.01-10.00、10超
 罹患ハザード比  1.0    3.0    6.8    6.6    16     57
 死亡ハザード比  1.0    2.2    5.1    4.2    7.0    14

次に、10年間の前立腺癌罹患の絶対リスクを求めたところ、参照群(PSA=0.1-1.00)では、年齢が上昇しても増加はわずかだったが、PSA値が10ng/mL超群では、それぞれ非常に高い値になった。

 年齢層     45歳未満、45-49歳、50-54歳、55-59歳、60-64歳、65-69歳、70-74歳、75歳以上
 PSA値0.1-1.00  0.6%  0.7%  1.1%  1.2%  1.3%  1.1%  1.3%  1.5%
 PSA値10超    35%、  41%、  63%、  71%、  77%、  69%、  75%、  88%

米予防医療専門委員会(USPSTF)は2011年10月、PSA検査が死亡率を下げることを示すエビデンスは見いだせず、逆に過剰治療により有害事象を増加させる可能性があるとし、すべての年齢の男性に対してPSA検査は勧められないとする勧告案を公表したが、今回の発表は過剰診断(治療)に関しては言及されていないものの、PSA検診の取扱いをめぐるガイドラインの論議に一石を投じるものと言えよう。

また、Orsted氏らは、年齢にかかわらず初回PSA検査の結果に基づくPSAスクリーニングスケジュールを以下のように提案した。

 ・4超  引き続き詳細な検査
 ・2-4  2~4年間隔でPSA検査
 ・2以下 65歳未満:10年ごとにPSA検査、65歳以上:再検査不要 

2012年2月12日日曜日

MDV3100

2012年国際泌尿器癌会議(ASCO-GU) が2/4に終了しましたが、その中で最も注目されたのが、MDV3100(経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬)の国際第3相臨床試験の結果。
ドセタキセルを含む化学療法にも関わらず、進行してしまった去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者の全生存期間(OS)の中央値が18.4カ月となり、プラシボ(偽薬)群より4.8カ月延長するという好結果が得られました。
MDV3100がドセタキセル後の選択肢となる可能性が高まったわけです。
日本ではアステラス製薬がフェーズ1/2試験を進めており、早期の申請、承認が期待されます。
これにより、近い将来の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の治療手順として、
ドセタキセル→MDV3100→酢酸アビラテロン、Cabazitaxel、ドセタキセルの再投与 という流れが示唆されます。
(酢酸アビラテロン、Cabazitaxelは米国等では承認済みだが、日本では未承認)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco_gu2012/201202/523535.html&cnavi=1

2012年1月30日月曜日

TAK-700 第Ⅲ相治験開始

(2012/01/30)
武田薬品は1月27日、米子会社ミレニアム・ファーマシューティカルズを通じて、グロバールで臨床試験を進めている前立腺がん治療薬「TAK-700」について、国内での患者登録を終了し、フェーズ3試験を開始したと発表した。同社が重点疾患領域と位置づける「がん・泌尿器科疾患」で期待の開発品。国内では14~15年度、欧米では14年度に上市を見込む。 
TAK-700は同社が創製した経口かつ新規の作用機序(非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害剤)の前立腺がん治療薬。既存薬のリュープリンは、精巣での男性ホルモンの産生のみを抑制する「LH/RH誘導体」で注射剤であるのに対し、TAK-700は男性ホルモンの生成に重要な役割を持つ酵素(17、20-リアーゼ)を選択的に阻害し、精巣と副腎の両方に由来する男性ホルモンであるアンドロゲンの生成を抑制する経口剤で、リュープリンとは異なる特徴を持つ。
今回のフェーズ3試験が「転移性のホルモン抵抗性の前立腺がん」を対象にした臨床試験であるのに対し、「非転移性のホルモン抵抗性の前立腺がん」という別の適応症取得に向けた臨床試験も進行中。ホルモン抵抗性の前立腺患者を幅広く治療できる薬剤を目指す。

2012年1月27日金曜日

ロボット支援手術(他)が新たに保険認定へ

(2012年1月19日)
厚生労働省の先進医療専門家会議(座長は慶応大名誉教授の猿田亨男氏)は、第2項先進医療に指定されていた技術のうち、23技術について保険導入が妥当とし、2012年度の診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会に報告することを決定した。
(追記:この報告の内容は1月30日開催の中央社会保険医療協議会で了承され、
 2012年4月からの保険適用が決定しました)
保険導入が妥当とされたものは23技術(カッコ内は総合評価)。
そのうち、泌尿器関係と思われるもの5技術を抜粋しておきます。

・人工括約筋を用いた尿失禁手術(A)*
・内視鏡下小切開泌尿器腫瘍手術(A)
・根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(A)*
・腹腔鏡下膀胱内手術(B1)
・腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術(B1)

* 前立腺がんの手術による尿失禁の重症者は約2200人で、年間約360人の新規患者が出ているという。
治療には、骨盤底筋を鍛える体操や尿道へのコラーゲン注入、薬物療法の他、メッシュテープで尿道をつり上げる手術もあるが、いずれも重症者への効果は期待できず、人工括約筋が最も重症者に適した治療法となる。

* 前立腺がんの手術では、腹腔鏡手術や小切開手術はすでに保険適応となっているので、このたび注目されるのは、ロボット(ダ・ヴィンチ)支援手術。
2010年9月時点におけるダ・ヴィンチの保有台数は、アメリカが1160台(2010年6月時点)、ヨーロッパが276台、アジアが81台(日本13台、韓国30台、中国15台)です。
まだまだ国内の普及度は低いのですが、保険適応となったのは、今後さらなる普及が見込めそうという読みがあったのかも知れません。
アメリカでは前立腺がんでの前立腺全摘除術の85%がロボット支援手術となっています。
日本でもっとも実施例の多い東京医科大学病院でも、前立腺全摘除術の80%をロボット支援手術が占めるまでになっています。

* 一方、保険適応が見送られたのは、粒子線治療(陽子線や重粒子線)です。
治療実績というよりも、保険適応した場合の負担額の多さに腰が引けたということではないでしょうか。

参考までに、上記以外に保険導入が妥当とされた18技術は次の通りです。

・CTガイド下気管支鏡検査(A)
・抗悪性腫瘍剤感受性検査(HDRA法又はCD-DST法)(A)
・内視鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術(A)
・超音波骨折治療法(A)
・色素性乾皮症の遺伝子診断(A)
・腹腔鏡下直腸固定術(A)
・肝切除手術における画像支援ナビゲーション(A)
・先天性難聴の遺伝子診断(A)
・マイクロ波子宮内膜アブレーション(A)
・内視鏡的大腸粘膜下層剥離術(A)
・インプラント義歯(B1)
・筋強直性ジストロフィーの遺伝子診断(B1)
・腫瘍脊椎骨全摘術(B1)
・腹腔鏡補助下膵体尾部切除又は核出術(B1)
・エキシマレーザー冠動脈形成術(B1)
・三次元再構築画像による股関節疾患の診断及び治療(B1)
・隆起製皮膚線維肉腫の遺伝子検査(B1)
・先天性銅代謝異常症の遺伝子診断(B1)

2012年1月24日火曜日

デノスマブが固形癌骨転移による骨病変の適応で国内製造販売承認を取得

第一三共とアストラゼネカは、1月18日、抗RANKリガンド抗体であるデノスマブ(商品名ランマーク皮下注120mg)について、「多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変」の適応で国内製造販売承認を取得したと発表した。

用法・用量は、「通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを4週間に1回、皮下投与する」。

デノスマブは破骨細胞の形成、機能、生存に必須の蛋白質として知られているRANKリガンドを標的とするモノクローナル抗体。第一三共が米Amgen社から導入し、2011年5月にはアストラゼネカと日本におけるコ・プロモーション契約を結んでいた。

デノスマブについては、3つの国際共同フェーズ3試験のデータをもとに申請を行っており、乳癌骨転移を対象とした試験、前立腺癌骨転移を対象とした試験、固形癌骨転移および多発性骨髄腫による骨病変を対象とした試験だ。乳癌骨転移を対象とした試験には日本人も参加した。

2011年11月19日土曜日

期待される前立腺がん治療薬

■デノスマブ(denosumab)
FDAがホルモン療法を受ける前立腺がん患者の骨量減少予防の適応拡大申請を承認。
骨関連事象(合併症)の出現を遅らせる効果はゾレドロン酸(ゾメタ)より優れているという。

■デガレリクス(degarelix)
Gn-RHアンタゴニスト。2008年にFDAが承認。
LH-RHアナログ剤(リュープリン、ゾラデックス等)のようなフレアアップ現象(テストステロンの一時的な上昇)を来さない。
前立腺癌のアンドロゲン遮断療法のファーストラインになる可能性。

■アビラテロン(abiraterone)
去勢抵抗性転移性前立腺がんを対象にFDAが承認(2011年)。
「CYP17」を選択的に阻害し、精巣や副腎でのテストステロンの産生を抑える新薬。

■カバジタキセル(cabazitaxel)
新しいタキサン系抗癌剤。
FDAはドセタキセル治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療薬として、2010年に承認。

■プロベンジ(provenge)
前立腺がん治療用ワクチン。FDAが自己の細胞を用いた免疫療法を承認した(2010年)初めての事例。
臨床試験での全生存期間の延長は4.1カ月。高額(約700万円)。
我国では効果のほどを疑問視する声もあるので、国内での早期承認はなさそうです。

■TAK-700
非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬。
化学療法が無効で、去勢抵抗性の転移性前立腺癌患者を対象として、フェーズ3臨床試験が進行中。

■MDV3100
MDV3100は第二世代の経口抗アンドロゲン剤
カソデックスよりも優れたPSA抑制作用を示し、カソデックス抵抗性癌にも効果が見られる。
現在、ドセタキセル(タキソテール)の治療歴を有するホルモン非感受性前立腺癌患者を対象とした、国際第Ⅲ相臨床試験が進行中。

■Xofigo(alpharadin)
α線放出核種ラジウム223を用いた放射性医薬品。
フェーズ3臨床試験では全生存期間と骨関連事象(SRE)の発祥までの期間を有意に延長。
去勢抵抗性前立腺癌の治療薬としてFDAがファストトラック指定をしていてが、2013年5月16日、
骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として、FDAにより承認。

■カボザンチニブ(cabozantinib)
新規チロシンキナーゼ阻害剤。
前立腺癌以外にも肝臓癌、卵巣癌等で高い腫瘍抑制効果が示され、骨痛に対しても良好な結果がASCO2011で報告されている。
転移性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象にフェーズ3試験を2011年末にも実施予定。

■プロストバック(prostvac)
PSAを標的として、牛痘と鶏痘の水疱瘡ウイルスを用いて作られたワクチン。
転移性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした前立腺癌治療ワクチンでフェーズ3試験が開始予定。
FDAよりファストトラック(優先審査対象)指定を受けている。

PROSTVAC

転移性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした前立腺癌治療ワクチンPROSTVACのフェーズ3試験が開始される。
米国を含めた世界20カ国以上の約300施設が参加し、転移があるが症状の軽いホルモン抵抗性前立腺がん患者1200人を登録し、全生存期間を比較する予定。
PROSTVACは、PSAを標的として、牛痘と鶏痘の水疱瘡ウイルスを用いて作られたワクチンで、フェーズ2試験では、少ない副作用で生存期間中央値を8.5カ月延長した。
FDAよりファストトラック指定(優先審査対象指定)を受けている。

2011年11月7日月曜日

MDV3100

化学療法歴のある進行前立腺がんの治療薬 MDV3100(経口アンドロゲン受容体拮抗薬:米Medivstion社、アステラス製薬)は、フェーズ3臨床試験の中間解析において、好成績(生存期間の延長)が得られたため、予定を早めて臨床試験を打ち切った。
ドセタキセルを含む化学療法にもかかわらず、進行が止まらないホルモン療法抵抗性前立腺がん患者1199人に対しMDV3100(160mg/日)と偽薬のグループに分けて追跡調査を行った結果(←520人死亡時の中間解析)、全生存期間の中央値は、MDV3100群が18.4カ月、偽薬群が13.6カ月で、MDV3100群に4.8ヵ月の生存期間の延長が認められた。
2012年、FDAに対し承認申請が行われる見通しで、もしMDV3100が商品化されれば、ホルモン療法と化学療法を受けても進行が止まらない前立腺癌患者にとって新たな選択肢になると期待される。
MDV3100は、現在、これより初期の前立腺がんに対する臨床試験も進行中。
(↓参照)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201111/522309.html&cnavi=1

光感受性分子標的発熱剤

光を受けると発熱する化学物質を、がん細胞に特有なタンパク質をターゲットとした抗体に結合させた「光感受性分子標的発熱剤」の開発に、米国立保健研究所(NIH)の小林久隆チーフサイエンティストらが成功した。
がんを発生させたマウスにこの薬を注射すると、がん細胞だけに光感受性発熱剤が取り付き、これに近赤外線を照射すると、発熱して、熱エネルギーによってがん細胞の被膜が破壊されがん細胞を死滅させるという。マウスでは8割のがんが消えたとか。

がん特有の抗体を乗り物として、抗がん剤や放射性物質をがん細胞だけでに届ける手法はミサイル療法(ターゲット療法)と言われていますが、これは光に反応する人体に無害の物質を用いて、熱という物理的作用でがん細胞を短時間で破壊するもの。
がん腫によって、もちろんターゲットとなるタンパク質は変わるので、それぞれのがんに応じた「光感受性発熱剤」の開発が必要だと思われますが、特定のがん細胞だけに運ばれて、特定のがん細胞だけを攻撃するドラッグデリバリーシステムの進歩は著しいので、実用化もさほど難しい話ではないでしょう。
光感受性薬を用いた光線力学的療法(PDT)とか、増感剤を用いた放射線療法なども、広い意味ではこれと同類だと思いますが、薬剤を直接がんに届けるミサイル療法と、光・赤外線・X線等の照射との組合せは、テクノロジーとしても面白く、かつ期待できる分野ではないでしょうか。

朝日新聞(2011/11/7)http://www.asahi.com/health/news/TKY201111060396.html

2011年10月30日日曜日

ガイドライン改訂

このたび癌治療学会に参加して、知り得たことの一つに、「前立腺がんのガイドラインが近く改訂される」という情報がありました。
前立腺がんに特有の事情かも知れませんが、欧米で用いられているガイドライン(NCCN)と日本のそれとでは、治療体系(考え方)そのものが大きく食い違っています。
2003年のNCCNガイドライン制定以降、欧米では、ステージ・PSA・グリーソンスコア、三者の組合せにより、リスク分類を決定し、そのリスク分類に応じて治療法を選択するという、「リスク分類優先の治療体系」が採られて来ましたが、日本ではガイドライン制定が2006年であったにもかかわらず、NCCNの考え方が採択されず、「ステージ優先の治療体系」を継続しました。
その後、国内の医療者内部にも徐々にNCCNの考え方が浸透して行きましたが、ガイドラインの改訂はずるずると先送りされ、
(2008年に検診に関するガイドラインが増補されましたが、これは治療法とは無縁です)
その間、先進的な医療者は別としても、裾野を構成する医療者間では、ずっとステージを重視した治療法が採られてきました。
私が前立腺がんを患った2004年頃は、それこそ簡単すぎて何の役にも立たなかった国立がんセンターのHPが、2006年、がん情報サービスへの以降を契機に、その内容が一新されましたが、中身はやはりステージ重視の古い治療体系のままでした。
私が前立腺がんの治療を終えた2005年、「ひげの父さん」の名前で、HP「もしも”前立腺がん”を告げられたなら」
http://hige103.main.jp/soulful-world/guidebook/sheet000.htm
を立上げ、NCCNのガイドラインに基づく「リスク分類優先の治療体系」を紹介してきましたが、
治療法の解説サイトとしては、世界的なエビデンスがあるにも関わらず、国内では「異端」の様相を呈していました。
(「泌尿器科医に読ませたい」とおっしゃってくださった先生もおられましたが)
それが、現在検討中の新しいガイドラインでは、「リスク分類に応じた治療体系」を採用することになるだろうとのこと。
実際のガイドラインを見るまでは、まだまだ安心できないのですが、ガイドラインの内容が変われば、当然、がん情報センターのHPも変わるでしょうし、それに続いて、他のサイトや解説書の記載も変わっていくのでしょうから、やがて私のHPも「異端」からの脱出を果たす日も近いかと思われます。
それはそれでありがたい話ではあるのですが、いかんせん、待つ時間が長すぎます!6年ですよ、6年!
ドラッグ・ラグという言葉がありますが、これは完全にガイドライン・ラグですね。

2011年10月7日金曜日

アルファラディンのフェーズ3臨床試験結果

先にこの”MEMO”の中で、アルファラディン(Alpharadin:塩化ラジウム223)が
フェーズ3臨床試験中であることをお伝えしましたが、
http://higepapa.blogspot.com/2010/06/223alpharadin-asco2010-89-223-89.html
このほど、そのフェーズ3臨床試験の結果が判明しました。
(2011/9/23 EMCC・ストックホルム)

2個以上の骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者922例に対し、
アルファラディンを投与する群と投与しない(プラセボ投与)群に分けて、
比較試験を行ったところ、全生存期間(OS)の中央値は、
プラセボ群が11.2カ月だったのに対してアルファラディン群は14カ月で、
アルファラディン群の方がOSを有意に延長していた。

骨関連事象(SRE)の発祥までの期間も、プラセボ群8.4カ月に対し、
アルファラディン群13.6カ月で、これもアルファラディン群の方が有意に延長していた。

アルファラディンは現在、米食品医薬品局(FDA)から優先承認審査(ファストトラック)の対象として認められているので、認可が下りるのも、さほど遠い話ではなさそうです。
米国で承認されてから、日本で承認されるまでの期間がいつも長くていやになるんですが・・・
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/esmo2011/201109/521698.html&cnavi=1

デノスマブの適応拡大

デノスマブ(denosumab)は、2010年11月、骨転移を有する患者の骨関連事象の予防を目的としてFDAの承認を受けていたが、このたび、骨転移がなくてホルモン療法を受けている前立腺癌患者の骨量減少予防にも、その適応が拡大された。

デノスマブの骨量減少に対する影響を偽薬と比較した無作為化フェーズ3試験で得られた結果に基づくもの。
2年経過時点の腰椎の骨密度を比較したところ、偽薬群に比べデノスマブ群のほうが5.6%高かった。
3年経過時点では、両群間の差は7.9%に拡大しており、脊椎骨折の相対リスク減少は62%になった。

2011年6月7日火曜日

アビラテロン:FDAが承認 (前立腺がんのドラッグラグ)

米食品医薬品局(FDA)は2011年4月28日、前立腺癌治療薬アビラテロンを承認しました。
適応は、ホルモン療法抵抗性の転移性前立腺癌でドセタキセル投与歴を有する患者。
低用量のステロイドと併用されます。

昨年(6月17日)FDAにより承認されたカバジタキセル(Jevtana)に続いて、
ドセタキセル(タキソテール)の次の手がまた一つ増えたわけです。
喜ばしい事ではあるのですが、これは米国の話ですね。
日本ではやはりまだ、ドセタキセル治療にもかかわらず病勢が悪化してしまった患者には、
ほとんど治療の余地が残されていないのが現状です。

前立腺がんの新薬で、米国では使えるのに日本では使えないものが、このほかにもまだいくつかありますが、
「我国でも早く使えるようにしてほしい!」という声は、やはり我々患者からあげるべきできではないでしょうか。
他のがんでマスコミをにぎわしている「ドラッグ・ラグ」問題は前立腺がんにもあるのですから。

T3までの前立腺がんには遅延CAB(MAB)療法が有効

(第99回日本泌尿器科学会2011/4/21 三重J-Cap研究会発表より・・・データの解析がやや判りづらいのですが)
参考サイト:がんナビ http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201104/519539.html&cnavi=1

注:CAB(Complete Androgen Blockade)療法=MAB(Maximal Androgen Blockade)療法

進行性前立腺癌に対するホルモン治療は、CAB療法が主流となっているが、限局性もしくは局所進行性前立腺がん(T1c─T3aN0M0)に対しては、LH-RHアゴニスト(リュープリンorゾラデックス)単剤で治療を開始し、PSAの上昇に応じて抗アンドロゲン剤(カソデックス)を追加する「遅延CAB療法」が有効である。

LH-RHアゴニストのみでPSAを制御できる可能性や抗アンドロゲン剤による副作用を回避するため、LH-RHアゴニスト投与後、PSAが測定感度以下に低下しないもしくはPSAが再上昇することを確認してから抗アンドロゲン薬を追加投与する遅延-CAB療法の有効性を検討してきた。

対象は2001年1月から2004年12月までに三重J-Cap研究会に登録された前立腺癌患者(640例)のうち、遅延CAB療法が施行されたT1c─T3aN0M0の患者92例。

観察期間中央値は52.8カ月で、導入時平均年齢は76.4歳。開始時のPSAは14ng/mL(3.6~492)。
     T1c T2a T2b T3a            ~6  7   8~10
ステージ 27  39  20 6(例)  グリソンスコア 45  26  21(例)

抗アンドロゲン薬を追加するタイミングは次の通り。
・PSA nadirが0.2より高値である場合
・PSA nadirが0.2以下であるが、PSAが3ポイント連続して0.2を超えた場合

追跡の結果、LH-RHアゴニスト単剤治療で
・PSA nadirが0.2mg/mLより高値である症例は38例
・PSA nadirが0.2mg/mL以下の症例は54例
・5年PSA非再発率は62.4%
・8年PSA非再発率は42.3%

PSA再発を確認した31症例に抗アンドロゲン薬が追加投与され、
・追加後の8年PSA非再発率は60.9%
遅延CAB療法全工程での
・5年PSA非再発率は88.3%
・9年PSA非再発率は74.8%だった。
経過観察中の癌死は1例、他因死は9例で、
・5年癌特異的生存率は98.0%、全生存率は87.5%
・9年癌特異的生存率は98.0%、全生存率は83.5%

PSA再発に関し、遅延CAB療法の維持期間は、
LH-RHアゴニスト単体治療の維持期間(<14カ月)のみが有意な危険因子となる。

LH-RHアゴニスト単剤治療中におけるPSA再発の危険因子は次の3つ。
・グリソンスコア8以上
・PSA nadir 1.4ng/mL以上
・治療開始後のPSA半減期が1.2カ月以上

高リスク群(51例):これらの危険因子を1つ以上有する
低リスク群(41例):危険因子を有しない

PSA非再発率は次の通り
       1年   3年   5年   9年
低リスク群 100%、100%、 95.0%、95.0%
高リスク群 100%、86.1%、 82.6%、58.6%

局所もしくは局所進行性前立腺癌において遅延CAB療法は長期に維持できる症例が多く存在し、遅延CAB療法中にPSA再発の危険因子をモニタリングすることで適切なタイミングで抗アンドロゲン薬追加投与を行うことができる。

2011年6月6日月曜日

全摘除術と監視(待機)療法の比較

参考サイト:がんナビ
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201105/519863.html

なんらかの症状がある早期(限局がん)前立腺癌患者を、
「手術(全摘除術)」と「待機療法」に割り振り、12.8年(中央値)追跡した
ランダム化臨床試験「SPCG-4(Scandinavian Prostate Cancer Group Study 4)」の結果が、
New England Journal of Medicine誌の2011年5月5日号に掲載された。

観察期間:1989年10月~99年2月
地域:スウェーデン、フィンランド、アイスランドの14施設
対象年齢:75歳未満
病期:ステージT2までの限局がん
高分化または中分化がん
PSA値は50ng/mL未満
計695人(平均年齢65歳)

A)手術(347人)
 (根治的切除:294人、局所再発や転移の徴候が見られた場合のみホルモン療法)
・前立腺癌死亡率は14.6%

B)待機療法(348人)に無作為に割り付けた。
 (無治療:302人、排尿障害にはTURT、進行or骨転移が生じた場合にはホルモン療法)
・前立腺癌死亡率は20.7%

つまり前立腺癌死亡率の比較では経過観察より手術の方が有利とのこと。
これをさらに、65歳未満と65歳以上に分けて分析した結果、65歳未満では有意差が見られたが、65歳以上では有意差が見られなかった。

ただし、この試験に登録された患者のほとんどが触知できる腫瘍を有しており、
PSA値の上昇をきっかけに診断に至った患者は5%にとどまることから、
この試験で得られた結果は、PSA値を指標とするスクリーニングで前立腺癌と診断された患者群にそのまま当てはめることは難しいと考えられる。

■補足
PIVOTと呼ばれる米国の大規模ランダム化臨床試験の結果が、2011年5月17日に
American Urological Association (AUA=米国泌尿器科学会)の年次総会で発表されました。
詳細な内容はまだ入手できておりませんが、概要は次の通りです。
追跡調査12年目の時点で、外科手術群と待機療法群の全生存率および前立腺癌特異的生存率は、ほぼ同等であったと言う。
このPIVOT試験では大多数の参加者がPSA検診により前立腺癌と診断された患者であることから、こちらの臨床試験の結果のほうが現在の米国の実情をより正確に反映していると考えられます。
日本においても、PSA値から前立腺がんが見つかることが増えているので、実情は米国と大差はないでしょう。
監視(待機)療法の適応にあたって、NCCNの"very low risk"に準じるなどの配慮があれば、「手術と同等」がより確かなものになりそうです。
副作用を含めて考えるなら、圧倒的に監視(待機)療法が優位となりそうですね。

2011年4月19日火曜日

前立腺がん取扱い規約

泌尿器科の現場ではこの本がかなり重要視されています。

「全国の先生方には、この取扱い規約に準じた同一基準で前立腺癌症例を正しく評価していただき、日本のデータを内外に積極的に発信していただきますことを期待致します。」(日本泌尿器科学会理事長 内藤誠二)
序文のこうした表現からもそれがわかると思います。

昨年までは、取扱い規約の第3版(2001年刊行)が使用されてきたのですが、なにぶん内容が古くて、実情に合わない部分も目立っていました。
このたび(2010年12月)第4版が刊行され、やっと実情に追いついてきたようです。

以前から気になっており指摘もしてきたことに「前立腺がん病期分類」があります。
国立がん研究センター「がん情報サービス」では
・T2a:片葉浸潤
・T2b:両葉浸潤
となっていますが、この根拠が前立腺癌取扱い規約第3版(2001年)であり、さらにその根拠はTNM分類第5版(1997年)ですから相当古いものです。

TNM分類第6版(2002年)以降は
・T2a:片葉の1/2以下
・T2b:片葉の1/2超
・T2c:両葉浸潤
となっており、このたびの取扱い規約第4版でやっと「原則としてTNM分類第7版(2009年)を用いる」
ということが決まりました。
「がん情報サービス」のHPは相変わらず古いままで、改訂されておりませんが・・・

その他、我々患者にも関心が深い改訂点がいくつかあります。

・作成委員会に「日本医学放射線学会」が加わった。(でも「日本放射線腫瘍学会」でないのはなぜ?)
・リスク分類に言及(2001年当時はリスク分類という概念がほとんどなかった)
・ノモグラムに言及(日本版術前ノモグラムも掲載してくれています)
・治療法で「密封小線源療法」「緩和療法」(ストロンチウム、ビスフォスフォネートにも簡単に触れています)
・病理学的分類は分化度(高・中・低分化)分類に代わり、グリーソン分類(ISUP2005)を採用。

10年に一度の改訂では時代遅れになるのもやむをえませんね。
前立腺癌診療ガイドラインも2006年版ですが、これもそろそろ新しいもの、できれば患者向けのものを刊行してもらいたいですね。

2011年3月30日水曜日

カバジタキセル

(がんサポート情報センター:最新がんトピックス:2010/5)
カバジタキセルを開発したUSオンコロジー社の開発担当者は、「ホルモン除去療法が効かない転移性前立腺がんに対して、初めて明らかな有効性が示された試験であり、カバジタキセルは、ホルモン療法が効かなくなった後に、現在使われている化学療法剤の代わりに使われるべき薬剤だ」と、シンポジウムに先立って、記者会見で語った。
TROPIC試験と命名された、カバジタキセルの多国間臨床試験は、ホルモン療法が効かなくなり、進行前立腺がんに対する標準的化学療法剤であるタキソテール(一般名ドセタキセル)による治療を受けても、そのまま病勢が進行した前立腺がん患者755人を対象として実施された。
臨床試験に参加した患者は、〔カバジタキセル+プレドニゾン(一般名)〕投与群か、別の化学療法剤である〔ノバントロン(一般名ミトキサントロン)+プレドニゾン〕投与群に無作為に割りふられた。
観察期間の中央値12.8カ月の時点で、全生存期間中央値は、〔ノバントロン+プレドニゾン〕併用群が12.7カ月であったのに対し、〔カバジタキセル+プレドニゾン〕併用群では15.1カ月。この結果は死亡リスクを30パーセント減少させたことになる。
カバジタキセルはタキソテールと同様に、タキサン系の抗がん剤。タキソテールと同じく、細胞分裂の際に分裂の主体となる微小管の働きを阻害する薬剤でありながら、タキソテール抵抗性のがん細胞に対して効果を示すようにデザインされている。
前立腺がんの細胞は、タキソテールを細胞外に排出することで耐性を示すが、カバジタキセルは細胞外に排出されないため効果をあらわすと考えられている。
全生存期間の延長は、年齢や人種、合併症などの因子に基づいて分類した、サブグループすべてに一貫して現れ、無増悪生存期間や奏効率も、〔ノバントロン+プレドニゾン〕併用群より良かった。
副作用は、カバジタキセルを投与した患者で、発熱を伴う好中球減少症がより多くみられた。
カバジタキセルの投与においては、この毒性を注意深く観察する必要がある。
「2次化学療法でタキサン系の薬剤が使用でき、一定の有効性があり、十分耐え得る副作用であることは有望な結果です」
デューク大学医学部総合がんセンターの医師は、こう述べている。
また、タキソテールによる1次治療の反応が良好な患者では、カバジタキセルによる2次、3次治療でも反応が良い傾向にあり、「つまり、そのような患者にとっては、カバジタキセルによる治療は、1歩前進以上のものになる可能性がある」と、同医師は付け加えた。
がん治療の化学療法の進歩は常に緩やかであるが、今回の試験結果は、2004年に進行前立腺がん治療におけるタキソテールの有効性が示されたことに匹敵する、と同医師は述べてもいる。
カバジタキセルの製造会社である、サノフィ・アベンティス社は、米国食品医薬品局(FDA)に、本剤を、タキソテール耐性の進行前立腺がんに対する2次治療薬として承認申請するとみられており、カバジタキセルは、この適応でFDAの承認を受ける初めての薬剤となる可能性がある。
 →(注)2010年6月17日、FDAは、カバジタキセル(Jevtana)をプレドニゾン(ステロイド剤)との併用で承認!