2009年4月10日金曜日

前立腺がん:照射線量はリスクによって調節

NCCNの第13回臨床ガイドライン(2008年)で、前立腺がん放射線治療ガイドラインの改訂版が発表された。

低リスク前立腺がんに対する線量は70~79Gyで十分であり,リンパ節には照射しなくてもよい。また,アンドロゲン抑制療法も必要ない。
前立腺の位置は膀胱や腸の充満状態により最大2cmは変化するため,75Gyを超える線量では,照射ごとに位置確認をする特別な作業が必要。

中~高リスク患者では,75~80Gyの照射が必要で,骨盤リンパ節への照射も同時に検討すべきで、
照射療法後4~6か月間のアジュバントアンドロゲン抑制療法の併用を考慮すべきである。

標的臓器の移動には照射ごとの移動と1回の照射中の移動があり,照射中の臓器移動のほうが制御困難である。
照射中の標的臓器の移動は,患者の呼吸や心臓の鼓動,腸運動,嚥下,くしゃみなどの動作により発生する。
高線量を照射する際には,直腸などの近傍組織に有害な影響を与えないため,標的の移動制御はより重要となる。