2015年5月23日土曜日

オラパリブ(PARP阻害薬)

2015/2/15
BRCA1/2遺伝子の突然変異の起きている場合に、新しい経口抗がん剤「オラパリブ」が有効である可能性。
BRCA1およびBRCA2(BRCA1/2)という2つの遺伝子に突然変異が起きている場合は、乳がんや卵巣がんに対するリスクの増大が懸念され、米国の女優アンジェリーナ・ジョリーが女房を予防切除した話はまだ耳新しいが、この変異は進行前立腺がんにも多く存在し、重要な役割を果たしている可能性があることが判明した。

末期前立腺がん患者150人のDNA解析を行ったところ、がん抑制遺伝子「BRCA1/2」の変異が15%で見られ、これと同意の機能を持つ別の遺伝子の変異も、さらに5%に見られた。
早期の前立腺がん患者に比べて、明らかに多いという。
オラパリブ(ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤)は昨年12月、BRCA変異陽性の進行卵巣がんの治療薬として米食品医薬品局(FDA)に承認されている。
BRCA1/2遺伝子の突然変異が関係するがんで再発した人を対象にオラパリブの有効性と安全性について評価したところ、前立腺がんでは8人中4人(5割だが総数が少ない!)に反応が見られた。
前立腺がんには、遺伝子変異においても、乳がん・卵巣がんと類似点があるといえるかも知れない。
(参考)
ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌 2015年1月20日
http://www.mededge.jp/a/canc/7858 
ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/articles/SB10690484242962743932404581001033226916552