2010年7月7日水曜日

普及するか、ダヴィンチ手術

昨年11月、ジョンソン・エンド・ジョンソンが海外の臨床試験データを基に手術支援ロボット、
ダヴィンチの薬事承認を取得。この3月からようやく国内での販売がスタートした。
ダヴィンチ本体の価格は3億円程度だが、機器や消耗品にも費用がかかる。
また、これとは別に、年間のメンテナンス費用が約2500万円になるとみられている。

前立腺がんの手術では、腹腔鏡は慣れるまでに80~100症例の経験が必要だが、
ダヴィンチでは10~20症例で良いという。
指先の動きを1/3、1/5に縮小して伝えることができるため、精密な操作もやり易い。
出血量も開腹手術より少なく、患者の負担が少ない低侵襲手術といえる。
「触覚がない」のが欠点だが、これは視覚情報の優位性で補わざるを得ない。

我国では、前立腺がんの腹腔鏡手術は全体の1割以下程度とみられ、開放手術が中心だが、
米国では、すでに85%以上の手術が、1000台以上のダヴィンチにより行われている。

参照 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201007/515535.html

カバジタキセル(商品名:Jevtana)

進行したホルモン不応性前立腺がんの患者にとっては、ドセタキセルが最後の砦ではなく、
新しいタキサン系抗癌剤、カバジタキセル(商品名:Jevtana)によって生存期間の延長が認められた(第Ⅲ相治験)ことは、すでにこの掲示板でもお知らせしました。
これを受けて、米食品医薬品局(FDA)は優先審査プログラムとして審査を行っていましたが、
6月17日、カバジタキセル(Jevtana)をプレドニゾン(ステロイド剤)との併用で承認しました。
ドセタキセルで治療中あるいは治療後に病勢が進行したホルモン不応性前立腺がんは、
これまでほとんど治療の選択の余地がなかったわけですが、この薬剤が初の適応となるわけです。
申請から承認まで11週間のスピード審査で、米国医療行政の面目躍如といったところですが、
我が国ではいったいどうなるんでしょうね。