2017年2月17日金曜日

骨転移へのゾレドロン酸静注は12週間隔でよい

Andrew L. Himelstein氏(米Helen F. Graham Cancer Center & Research Institute)らは、通常4週間隔で用いられるゾレドロン酸(ゾメタ等)の静注の投与間隔を、12週まで伸ばす非劣性比較試験を行い、12週間隔でも効果は劣らないと報告した。(JAMA誌2017年1月3日号)

条件を満たした1822人の患者は911人ずつ、4週間隔群と12週間隔群に割り付けられた。
どちらの群の患者も、1日に500mgのカルシウムと400~800IUのビタミンDを服用するように指示を受けた。
主要評価項目は、2年間に、骨関連イベント(骨折、脊髄圧迫、骨の放射線治療、骨の手術)を経験した患者の割合とした。
割り付けから2年間に骨関連イベントを経験したのは、4週間隔群の260人(29.5%)と12週間隔群の253人(28.6%)だった。
 
       放射線治療   骨折    脊髄圧迫   骨手術
  4週間隔群    185人     62人    23人      22人
12週間隔群    163人     79人     30人      42人

 癌の種類別では、乳癌、前立腺癌、多発性骨髄腫で、骨関連イベントの発生率に有意な差はなかった。疼痛スコア、ECOG PSスコア、顎骨壊死の発生率、腎機能障害の発生率でも、有意差は見られなかった。

 これらの結果から、骨転移がある癌患者に対するゾレドロン酸の12週間隔の投与は、標準的な4週間隔の投与と比較して、2年間の骨関連イベントを増やさないことが示され、治療の選択肢として許容できると結論している。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201701/549835.html