2011年1月27日木曜日

TAK-700

 TAK-700は、非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬。男性ホルモンの生成に重要な役割をもつ酵素(17,20-リアーゼ)の働きを阻害、精巣および副腎の両方に由来する男性ホルモンの生成を抑制する。

米国で進行性前立腺癌患者を対象としたフェーズ3国際試験が開始された。(2010/11)
ドセタキセルをベースとした化学療法が無効であり、かつ一般的なホルモン療法に抵抗性を示す転移性前立腺癌患者を対象として、プレドニゾンとプラセボ投与群を対照とし、プレドニゾンとTAK-700投与群を比較する。主要評価項目は、全生存期間と無増悪生存期間。
日本も米国よりは遅れるがこの国際試験に参加する予定。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201011/517374.html&cnavi=1

2011年1月23日日曜日

プロベンジ

2010年4月29日、米国FDAはデンドレオン社が開発した前立腺がん治療ワクチン「プロベンジ」を承認しました。
これは世界で初めて、かつ、他種のがんに先駆けて承認されたがん治療ワクチンです。
FDAに提出された二重盲検臨床治験のデータによれば、プロベンジの投与で生存期間は4.1か月延長されたとのことで、
これは驚異的な数値です。

 プロベンジはホルモン療法抵抗性前立腺がん(HRPC)患者を対象とし、患者の血液から採取した免疫細胞(抗原提示細胞)を、前立腺がんの殆どに発現が見られるPAP蛋白質を加えて体外で培養したもので、これを患者に戻すことで抗腫瘍効果を発揮します。
プロベンジは、自覚症状がほとんどなく全身状態が良好な患者を対象とし、内臓障害がある場合や、期待余命が6ヵ月未満の患者には推奨されておりません。
 プロベンジの費用は、9万3000ドル(800万円)と高額ゆえ、発売当初はその普及に疑問が持たれたのですが、すでにプロベンジの製造が需要に追いつかなくなり、デンドレオン社は2011年 中旬を目途に製造設備の拡張を始めているとのこと。

 2010年11月、米国のメディケア(高齢者・障害者向け国営保険)諮問委員会が、プロベンジを保険償還するように推奨しました。多くの関係者は今年そのまま承認されると考えています。
 メディケアへの償還が実現すれば、プロベンジは米国だけで年間17.5億ドルを売り上げると予想されています。
特許切れまでに世界での売り上げは数兆円に達します。デンドレオン社に莫大な収入と米国に莫大な税収をもたらすでしょう。
これにより、米国ががんワクチンなどを含も医療分野を成長戦略の柱と認識していることが明らかとなりました。
プロベンジの成功を受け、世界的にがん治療ワクチンの開発競争が激しくなっているのが現状です。

2011年1月18日火曜日

粒子線治療施設

国内の粒子線治療施設(予定を含む)は以下の通りです。


【重粒子線】
・重粒子医科学センター病院(放医研) (千葉県千葉市)
・兵庫県立粒子線医療センター (兵庫県たつの市)
・群馬大学重粒子線医学研究センター (群馬県前橋市)
・九州国際重粒子線がん治療センター (佐賀県鳥栖市 ※…2013年以降の開始予定)

【陽子線】
・兵庫県立粒子線医療センター (兵庫県たつの市)
・筑波大学陽子線医学利用研究センター (茨城県つくば市)
・国立がんセンター東病院 (千葉県柏市)
・静岡県立がんセンター(静岡県駿東郡)
・若狭湾エネルギー研究センター (福井県敦賀市)
・福井県陽子線がん治療センター (福井県福井市 ※…2011年3月開始予定)
・がん粒子線治療研究センター (鹿児島県指宿市 ※…2011年4月開始予定)
・南東北がん陽子線治療センター (福島県郡山市)
・相澤病院 (長野県松本市)
・クオリティライフ21城北 (愛知県名古屋市 ※…2012年以降の開始予定)