2010年5月18日火曜日

ペプチドワクチン 先進医療

(厚労省「先進医療専門家会議」)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/27652.html
5/18の厚労省「先進医療専門家会議」で、ホルモン不応性再燃前立腺がんに対する「ペプチド・ワクチン療法」が先進医療として認められた。
適応はドセタキセル不適格のホルモン不応性再燃前立腺がんで、ヒト白血球抗原HLA-A24が陽性のもの。
免疫性が高いと推測されるがんペプチドを、それぞれ患者ごとにテーラーメイド治療を行うことで、より早く、強力な特異免疫賦活効果を狙う治療法。
患者自身のがん免疫機能を活発化することで、生命予後の延長やQOLの向上につながることが期待され、技術を申請した久留米大病院の臨床研究では、
24%の患者についてPSA値が50%以上低下した。

ペプチドワクチン 臨床試験

(第98回日本泌尿器科学会総会発表)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jua2010/201005/515081.html
岩手医大の小原氏らは、東大医科学研究所との共同研究で、遺伝子のスクリーニングによって、前立腺癌に高頻度に発現する遺伝子CDCA1を同定した。
CDCA1由来の「HLA-A24拘束性エピトープペプチド」を作製し、ドセタキセル抵抗性の再燃前立腺癌に対し、このペプチドを標的とした癌ペプチドワクチンの
医師主導型第1/2相試験を行ったところ、重篤な全身有害事象はなく安全に施行できることが示された。
効果の判明まではまだ時間がかかるが、小原氏は「ドセタキセル抵抗性患者に対する治療として期待できる」と述べた。

2010年5月17日月曜日

MDV3100(経口アンドロゲン受容体拮抗薬)

経口アンドロゲン受容体拮抗薬MDV3100を、アンドロゲン非依存性の転移性前立腺癌患者に適用したところ、フェーズ1/2試験で好結果が得られた。(Lancet誌電子版4/15 米Medivation社&アステラス製薬)

治療法の選択肢が限られており、余命1年以下と推定される末期の前立腺癌患者において、MDV3100はPSAレベルを低下させ、腫瘍の縮小または病態安定をもたらし、末梢血中の循環癌細胞(CTC)の数を減らすことが明らかになった。
MDV3100は、3つの作用点に働きかけてアンドロゲン受容体拮抗作用を発揮するというユニークな作用機序を持つ。
リスクとベネフィットのバランスは良好と判断され、既に多施設無作為化フェーズ3AFFIRM試験が進行中。

2010年5月16日日曜日

ホルモン療法+ゾレドロン酸(ゾメタ)

横浜市大の上村博司氏らは、4月下旬盛岡市で開催された第98回日本泌尿器科学会総会で以下の発表をした。
骨転移がある前立腺癌に対し、ホルモン療法にゾレドロン酸(ゾメタ)を併用することでPSA値が顕著に低下し、PSA最低値は低く、PSA正常化率は高く、再燃までの期間を延長する可能性が示された。
神奈川県下の多施設共同臨床試験で、骨転移の広がりが6ヵ所以上で、ホルモン療法未治療の臨床病期D2前立腺癌患者28人が対象。
PSA初期値の中央値は239だったが、PSA正常化率(4以下に下がった)は75%であった。
4人でグレード2の有害事象(クレアチン上昇、歯肉炎、下顎痛、筋肉痛)が見られたため投与を中止したが、重篤なものはなかった。
PSA再燃は10人に認められ、再燃までの期間中央値は6.6カ月だった。いずれも骨関連事象(SRE)の発現はない。
「初期からゾレドロン酸を投与した方がよいだろう」と答えた。

2010年5月13日木曜日

GnRHアゴニストの副作用

FDA(米国食品医薬品局)は医療従事者および患者に対し、GnRHアゴニスト(日本ではリュープリン、ゾラデックス)の投与により、
糖尿病や心血管疾患のリスクが高まる可能性があると通達した。
ただ、FDAの審査はまだ継続中で、前立腺癌でこれらの薬剤投与を受けている患者のリスクについてはまだ結論は出ておらず、
患者は医師から投与中止を指示されない限りは、GnRHアゴニスト投与を中止すべきではない。
FDAは、これらの安全性問題を認識し、GnRHアゴニスト投与を受ける患者について糖尿病および心血管疾患の発症をモニタリングすべきであると推奨している。

http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100513hj001hj

http://www.cancerit.jp/xoops/modules/fda_files/index.php?page=article&storyid=115