2012年3月12日月曜日

アビラテロン(abiraterone)

先に、アビラテロンに関するこれまでの情報をまとめてみますと・・・

テストステロンの合成酵素「CYP17A1」を選択的に阻害し、精巣や副腎でのテストステロンの
産生を抑える薬剤で、”タキソテールベースの化学療法が無効となった”患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験で、全生存期間の3.9ヵ月延長が認められ、2011年4月、FDA(米国食品医薬品局)はプレドニゾンとの併用でこれを承認、以降世界39カ国で同様の承認が得られています。
日本はあいかわらず出遅れていますね・・・39カ国と言えば、先進国ではほとんどの国が承認済み?

このたびの新情報は次の通り。

”化学療法歴のない”転移性の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を対象に、アビラテロンとプレドニゾンを併用する第Ⅲ相臨床試験の中間評価を行ったところ、主要評価項目である無増悪生存期間と全生存期間において臨床利益と忍容性を確認したため、評価を行った独立データモニタリング委員会は、全会一致で臨床試験の盲検化を解除する勧告を出し、プラセボ(偽薬)群にもアビラテロンの投与を開始するよう求めた。

臨床試験に参加しても、プラシボに振り分けられれば、患者は何の恩恵も受けられないわけですが、これによって参加者全員がアビラテロンの恩恵を受けられるわけですから、良い判断ですよね。
他の臨床試験でもこういう判断の前例があったのでしょうか?
臨機応変に、こういう融通をきかした判断が出てくるのはありがたいことですね。
日本のお役所仕事ではたぶんこうはいかないでしょう。アメリカならでは?