去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療薬 アビラテロン(ザイティガ)で、因果関係が否定できない劇症肝炎・肝不全が5例(うち1例は死亡)が確認されたことを受け、厚労省医薬品食品局は2015年7月7日、医療用薬の添付文書の「重大な副作用」に「劇症肝炎、肝不全」を明記するよう日本製薬団体連合会に通知した。
アビラテロンの使用時に、血液検査で通常良く見られる副作用は、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、低カリウム血症等で、これらの低減のためにもプレドニゾロン(ステロイド)との併用が原則とされている。
従来より添付文書に記載されていた重大な副作用は、心障害、肝機能障害、低カリウム血症、血小板減少、横紋筋融解症など。
肝機能障害については、患者選択基準でも、重度の肝機能障害者には「禁忌」、中程度の肝機能障害者には「慎重投与」とされてきたが、劇症肝炎・肝不全を「重大な副作用」に明記することにより、より一層の注意を喚起するもの。