武田薬品工業は、GVAX免疫療法ワクチンについてCell Genesys社と独占開発販売契約締結を発表した。
同ワクチンは、FDA(米食品医薬品局)の優先審査対象に指定されており、
現在、進行性前立腺がん患者を対象とした2つのフェーズ3臨床試験を実施中。
1つは2009年後半に最終結果が得られる見通しで、他の1つは2009年前半に患者登録が終了する見込み。
GVAX前立腺がんワクチンは、2種類のヒト前立腺腫瘍細胞株を、
遺伝子操作によって人体内での増殖能力をなくした上で、患者の免疫システムを活性化させるもの。
武田はこの契約に一時金として5000万ドル、日米欧の開発・販売の進捗状況に合わせ最大2億7000万ドルを支払う。
さらに、フェーズ3臨床試験を含む今後の開発および上市後の販売に関する費用を全額負担し、
売上額に基づくロイヤルティも別に支払う。
GVAXワクチンの効果が良好というのは前立腺がん以外の肺がんやすい臓がん等でも耳にします。
適応はもっと増えるかもしれません。
我々が恩恵にあずかれるのは、まだだいぶ先の話しでしょうね。
参考までに、以下に『海外癌医療情報リファレンス』関連ブログ(2007-04-05)よりの抜粋記事を載せておきます。
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前立腺がんワクチンGvax、Provenge良好な結果
Gvax(Cell Genesis社)の前立腺癌における第3相試験の結果が予想以上に良好。
同じく有望な前立腺癌ワクチンProvengeの結果をも超える可能性。
2002年の第2相試験(米国)ではホルモン不応性となった前立腺癌対しその生存期間中央値は、
タキソテール18.9ヶ月に対し、Gvaxは22ヶ月・・・2007年の高用量試験(22人)では35ヶ月・・・であった。
Dendron社はProvengeが同様の病態の前立腺癌患者において、生存期間中央値を4ヵ月半改善したとしているが、
Gvaxはそれを上回る期待が持てる。
また、Provengeは個々の患者の細胞からカスタマイズするのに対し、
Gvaxは画一化されたワクチンであるため商業化しやすい利点もある。