デガレリクス(ゴナックス)発売開始
テストステロンの産生を抑制する前立腺がんの治療薬デガレリクス(ゴナックス=GnRHアンタゴニスト)が、昨日(10/23)より発売開始となりました。我国では本年6月末に世界で60番目に承認された皮下注射薬です。
(FDAの承認は2008年12月ですから、承認の遅れは約3年半)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201210/527349.html&cnavi=1
これまでは、前立腺がんのホルモン療法(アンドロゲン遮断療法)と言えば、ほとんどの場合LH-RHアゴニスト(リュープリンやゾラデックス)が、単独もしくはビカルタミド(カソデックス)等との併用で用いられてきましたが、デガレリクスは、LH-RHアゴニストに比べ、PFS(無増悪生存期間)で優位性を示したことや、要注意とされてきたフレアアップ現象(一時的なテストステロンの上昇)もなく取扱がより単純になるので、ホルモン療法のファーストラインとしてLH-RHアゴニストに置き換わる時期もそう遠くはなさそうです。
LH-RHアゴニストに対して耐性が生じた場合、セカンドラインとしてデガレリクスが有効かどうかは、現時点で情報がありません。(私見としては、「下垂体」以降の薬の機序はほとんど同じはずなので、薬の交替による新たな効果は期待できそうにないと思いますが、専門家のアドバイスがいただければありがたいですね)
参考:アゴニスト=類似薬、アンタゴニスト=拮抗薬
アステラス製薬のニュースリリースは ↓こちらから
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/gnrh-2.html