7月10日(木)開催のメディアセミナー(主催:サノフィ株式会社)における要旨
(講師:横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学 准教授 上村 博司氏)
今年(2014年)承認された前立腺がんの治療薬は以下の3つ
・5月 エンザルタミド(イクスタンジ アンドロゲン受容体阻害薬) 発売済
・7月 アビラテロン (ザイティガ アンドロゲン合成阻害薬) 未発売
・7月 カバジタキセル(ジェブタナ 化学療法剤 注射剤) 未発売
去勢抵抗性前立腺がんの標準治療であるドセタキセル無効後の治療選択として、実臨床ではまず経口薬であるアンドロゲン受容体標的薬2剤のどちらかを選択することが多いが、化学療法を優先すべき患者を見極めることも重要。
全身状態が良い(行動の自己管理ができ、貧血が軽度)のが前提であり、
経口ホルモン療法が効きにくい症例であること。
1)転移部位が多く初期ホルモン療法の効果が短期間
2)転移部位の症状が強くPSA上昇が速い
3)肝臓・肺などに転移がある
先にアンドロゲン受容体標的薬による治療を行っている場合は、病勢の進行を見逃さず、適切なタイミングで治療を切り替えることが重要。
1)最初から抵抗性を示す症例(プライマリーレジスタンス)
・・・治療開始から3ヵ月以内に画像上(CT・骨シンチ)で進行の有無を確認する!
2)1年以内に無効となる部分的抵抗性症例
3)1年半以上効果が継続する感受性症例
頻回なモニタリングが海外のガイドラインでも推奨されている。