去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する薬物療法の選択について、症例毎の優先順位を一覧表にしてみました。
米国泌尿器科学会のガイドラインを参考にしつつ、我国の事情に合わせ、適宜アレンジをしたものです。
女性ホルモン系薬剤については、米国では心血管疾患の副作用が懸念され、ほとんど使われておりません。ステロイドについても同様ですが、日本ではしばしば用いられてきました。
我国ではこのような基準がないので、どの薬をどの順序で飲むかということに関しては、基本的には、主治医と患者の話し合いで決まると言ってもいいでしょう。
新薬が出たからこそのうれいし悩み?かも知れません。
新薬の登場により、ドセタキセルが最後の砦であった時代は、ついに終わりを告げたわけですが、その新薬をドセタキセルの後で使うか、前に使うかという判断は、保険適応もからむのでちょっとややこしい様相を呈しています。
アビラテロンは、ドセタキセルの前後いずれでも認められていますが、エンザルタミドに関しては、ドセタキセル未使用の患者に対しても、保健扱いするかどうかは、それぞれの都道府県単位の判断にまかされているのが現状のようです。これまでに発表された臨床試験のデータからすれば、プレケモとして(ドセタキセルより先に)用いても良い結果がでているので、なんとか保健適応が可能な方向で、日本全体で統一していただきたいところです。