(千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学 鈴木啓悦Dr)
MAB療法が進行前立腺がん患者の生存率を改善することはすでに報告されている。LH-RHアゴニスト(ゴセレリンorリュープロレリン)と、非ステロイド系抗男性ホルモン剤(フルタミドorビカルタミド)を併用する「MAB療法」継続中にがんが再燃し、アンドロゲン非依存性がん症例を示した場合、抗男性ホルモン剤を中断しアンチアンドロゲン除去症候群を見極めたうえで(PSA値が50%以上低下することを確認)、抗男性ホルモン剤を別種のものと交換する・・・いわゆるアンチアンドロゲン交替療法を施行と、約60%は再びホルモンに対する感受性を示し、がん特異的生存期間が有意に延長された。別種の抗男性ホルモンを用いた2次MAB療法への反応が生存期間を延長する最も重要な因子の1つとなる。2次MAB療法に反応しなかった症例はホルモン非依存性のがんであり、ドセタキセルを含む化学療法等の新規治療法を早期に開始する必要がある。(病期C,Dの前立腺がん症例232例の内、1次MAB療法に対する反応はPSAが4以下に下がったのが175例(75%)残りは全てPSAが50%以下となった。)