2009年2月13日金曜日

循環がん細胞検出検査(CTC)について

(参考文献): New England Jounal of Medicine 2004,351,781-791
        2004年 ASCO 抄録9552

 従来のCTやPET検査では既に病巣として5mmもしくは1cm以上のものがないと検出できませんでしたが、CTCが血液中にあるがん細胞を検出できる方法として、米国FDAで測定方法として2004年1月に認可されました。

1.CTCが測定する価値がある病態
 A.手術後転移がないか調べる場合 
  (手術後再発予防の治療を受ける必要があるかどうか)
 B.CTやPETでは転移が明らかでないが再発の超早期の検診を希望する
  場合
 C.CTやPETでは転移が明らかでないが腫瘍マーカーなどが高く再発が
  懸念される場合
 D.長期にわたり再発しやすい乳がん、前立腺がん、腎がん、肝臓がん
  などのfollowの場合

2.CTCがあまり意味がない場合
 A.既に再発場所が明らかな場合
 B.健康診断あるいは人間ドックの代わりのがん検診
 C.血中転移が少ないタイプのがん

3.CTCを推奨するタイプのがん
 乳がん、前立腺がん、大腸がん、胃癌、膵臓がん、肺癌、卵巣がん、
 子宮がん、腎臓がんなど

4.測定方法
 単なる血液検査であり、採血のみで患者自身に負担がかかりません。

5.検査精度
 1回の検査で血液中にあるがん細胞を平均36%で検出可能です。検査陽性だが実は転移がない擬陽性は0.3%以下で信頼度は高い検査です。
 つまり検査陽性の例はまず間違いなく、転移・再発があると考えられます。偽陰性が高いのが難点ですが、血液中のがん細胞を発見する方法が他にない上、この検査を時期を置いて2回練り返す事により偽陰性の割合は半減することができます。