(参考文献): New England Jounal of Medicine 2004,351,781-791
2004年 ASCO 抄録9552
従来のCTやPET検査では既に病巣として5mmもしくは1cm以上のものがないと検出できませんでしたが、CTCが血液中にあるがん細胞を検出できる方法として、米国FDAで測定方法として2004年1月に認可されました。
1.CTCが測定する価値がある病態
A.手術後転移がないか調べる場合
(手術後再発予防の治療を受ける必要があるかどうか)
B.CTやPETでは転移が明らかでないが再発の超早期の検診を希望する
場合
C.CTやPETでは転移が明らかでないが腫瘍マーカーなどが高く再発が
懸念される場合
D.長期にわたり再発しやすい乳がん、前立腺がん、腎がん、肝臓がん
などのfollowの場合
2.CTCがあまり意味がない場合
A.既に再発場所が明らかな場合
B.健康診断あるいは人間ドックの代わりのがん検診
C.血中転移が少ないタイプのがん
3.CTCを推奨するタイプのがん
乳がん、前立腺がん、大腸がん、胃癌、膵臓がん、肺癌、卵巣がん、
子宮がん、腎臓がんなど
4.測定方法
単なる血液検査であり、採血のみで患者自身に負担がかかりません。
5.検査精度
1回の検査で血液中にあるがん細胞を平均36%で検出可能です。検査陽性だが実は転移がない擬陽性は0.3%以下で信頼度は高い検査です。
つまり検査陽性の例はまず間違いなく、転移・再発があると考えられます。偽陰性が高いのが難点ですが、血液中のがん細胞を発見する方法が他にない上、この検査を時期を置いて2回練り返す事により偽陰性の割合は半減することができます。