2013年10月2日水曜日

がん登録

全国がん登録法(議員立法)の制定に向け、前立腺がん患者の立場から見た意見書を、パブリックコメント(9/30締切)として提出しておりましたが、どうやら、私が取りまとめ「前立腺がん支援ネットワーク」名で提出させていただいた内容が、検討課題として取り上げられているようです。
「医療介護ニュース」にこのような記事が出ていました。
”全国がん登録、診療所は積極的に届け出を-治療法別「非再発率」求める声も”
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41005.html

提出したパブコメの内容は以下の通りです。

「がん登録等の推進に関する法律案」に関する“パブリックコメント”

                                  平成25年9月21日
「国会がん患者と家族の会」の皆さま
                                  前立腺がん支援ネットワーク
                                  代表 武内 務
                                  (ひょうごがん患者連絡会事務局長)

がん登録法の制定に賛同すると共に、皆様方の推進へ向けての熱意と活動に、心よりの敬意を表しております。なお可能ならば、以下の3点にもご配慮を賜れば幸いです。

■五大がんに準じたデータ分析が欲しい 【データの活用】
 

 前立腺がんは、男性のがんでは、罹患率は胃がん、肺がん、大腸がんに次いて第4位、近年伸び率も高く、ここ10年以内には1~2位になるのではと予想されています。
死亡率は第6位ですが、現存する患者数では、すでに男性のがんではトップというデータもあります。「五大がん」に前立腺がんが含まれていないというのは、過去、我国ではまだ前立腺がんは少ないと思われていた時代のなごりではないでしょうか。

■病状と治療法に応じた、非再発率データが欲しい 【データの活用】
 

 前立腺がんには、多くの治療法がありますが、5年生存率ではどれも大差はありません。しかし、患者がショックを覚えるのは、まずはがんと告げられた時であり、次には再発を告げられた時です。初回の治療だけでがんから解放されるのと、再発し、治療を継続しつつ生き長らえるのとでは、精神面でも、QOLにおいても大違いです。治療法の選択に当たって、非再発率は重要な指標の一つであると思いますが、現在、患者にはこれが示されておりません。

■地域医療連携に組み込まれる診療所にも院内登録の義務付けを 【登録の義務付け】

 近年、地域医療連携が加速し、前立腺がんにおいても、一次治療後のPSAによる経過観察を診療所が担うケースが増えて来ており、非再発率を知るためには、どうしても診療所の協力が必要です。全ての診療所に、がん登録の義務を負わせるのが現実的でないとすれば、せめて、地域医療連携に組み込まれた診療所だけでも、院内登録に準じた義務を負わせるか、連携先の病院の院内登録に抜かりなく組み込まれるシステムを構築していただきたいものです。
                                                    以上