2013年10月1日火曜日

MRIガイドによる生検

フィリップスエレクトロニクスジャパンは、MRIガイド下で前立腺がんの針生検を行うシステムを2013年11月に発売するという。
MRI画像をリアルタイムで確認しながら生検のシミュレーションを行うことが可能で、病変部を的確に狙ったがん細胞の採取が可能となる。
前立腺がんの生検は、これまでは超音波を使った針生検が一般的だったが、超音波は前立腺がんを描出しづらく、病変部に狙い通りに針を刺すのも困難なため、ランダムに針を数回刺して細胞を採取しなければならなかった。
MRI画像では、病変の位置や悪性度を診断できることから,MRIガイド下生検が従来の生検の弱点を克服できると共に、これまでの生検では前立腺がん細胞が見つからなかった症例に対しても、検出が容易となる。

これまでの生検というのは、確かに原始的でしたね。
痛みに対する配慮もそうですが(これで酷い目に会いました)、精度においてもかなり適当なものでした。
MRIは3テスラを導入している所はまだ多くないので、1.5テスラでもどの程度実用に足るものなのか、気にはなっているのですが、そのあたりの情報はまだ掴めておりません。
こちら(下)の動画(米国)では、MRIとPETで病状を詳しく確認し、MRIとUS(超音波)の合成画像を用いて、リアルタイムで針先を確認しながら生検が行われていますね。
http://www.cancerchannel.jp/posts/2011-02-03/2224.html

我国では、PETの併用と言うのはあまり聞いたことがないのですが、MRIとUS(超音波)の合成はすでに一部で行われているようです。
テンプレートを用いた多個所立体生検をやっているところも徐々に増えつつあるようです。
生検技術の向上が、より低侵襲な治療法の普及に結びつくと考えても良いのではないでしょうか。
前立腺内におけるがん細胞の正確な位置を多個所立体生検で把握し、小線源療法による部分的治療(フォーカルセラピー)を、すでに行っている医療施設もあります。