ASCO 2014:Christopher Sweeney(Dana-Farber Cancer Institute)
ドセタキセルをホルモン療法開始時から併用することには賛否両論があったが、この検証の投げかける意味は大きいと思われる。
今回報告されたのは、2014年1月16日までの追跡機間中央値29カ月における解析結果。
(患者数はいずれも400人弱、両群の患者背景はほぼ同じ)
(全生存期間中央値の下段は、抗腫瘍量の患者を示す)
今回、高腫瘍量の患者で示された全生存期間の改善17カ月、死亡リスク低下40%があまりに大きいことについて、「信じてもいいのか?」という声もある。
同様のデザイン(ADT+ドセタキセル9サイクル)で行われたGETUG-15試験では全生存期間の改善を認めておらず、「むしろ、低リスクの患者に対しては、進行するまで化学療法を加えるベネフィットはないことを示唆したもの」という見方もあるので、今のところ、遠隔転移のない(低腫瘍量の)患者に対しては、今少し慎重な見極めが必要かもしれないが、高腫瘍量のがんに対しては、ドセタキセルの併用が有利といえそうだ。
参考:【がんナビ NEWS 】
2014/6/3http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201406/536773.html
少し角度の異なる記事がこちらです。
参考・【海外医療情報リファランス】 http://www.cancerit.jp/28083.html
この研究が画期的であるという、発表者の以下の見解も示されています。
「ホルモン療法は1950年代から前立腺癌患者の標準治療であった。このたびの研究は新たに転移性前立腺癌と診断された患者の生存期間を延ばす治療戦略を特定した最初の研究である。その延命効果は多大であり、高度進展型の癌で化学療法の適用に適した患者に対して新たな標準治療とするに値するものだ」