PubMed 論文抄録 (海外癌医療情報: 2009-10-18)
大学医学部放射線治療学科(米国)背景と目的:限局性前立腺癌において、前立腺全摘術 (RP)または適応例にはホルモン療法を併用した72Gy以上照射の強度変調放射線治療(IMRT)により、生化学的無病生存率(BDFS)が改善するかどうかを検討した。
対象と方法:1997年から2005年に2箇所の専門医療センターでRP(204名)またはIMRT(352名)を受けた患者556例の連続標本について解析した。臨床病期、グリーソンスコア、治療前の前立腺特異抗原(PSA)に基づき、患者を予後グループに層別化した。アウトカム指標はBDFSとした。
結果:ベースラインでの病変の進展度は、IMRT例のほうが高かった(p<.001)。RPとIMRTの5年BDFSの差異は、予後良好群(92.8% vs. 85.3%, p=.20)、中間的予後群(86.7% vs. 82.2%, p=.46)では認められなかった。予後不良群においてはホルモン療法併用IMRTのほうがBDFS成績は良好であった(38.4% vs. 62.2%, p<.001)。全コホートにおいて交絡因子で補正したところ、グリーソンスコア(p<.001)と臨床病期(p<.001)からBDFSが予測されたが、治療法からはBDFSは予測されなかった(p=.06)。予後不良群では、治療法からBDFSが予測された(p=.006)。結論:RPとIMRTのBDFSは、予後良好群や中間的予後群については同程度である。予後不良群では、ホルモン療法を併用した72Gy以上照射のIMRT例のほうがBDFSは高いことを示している。PMID:19800702
平 栄(放射線腫瘍科) 訳