2013年6月27日木曜日

放射線療法と併用するアンドロゲン除去療法の期間について

高リスク前立腺癌に対しては、放射線療法とアンドロゲン除去療法の併用が標準治療となっているが、最適と思われるアンドロゲン除去療法の期間は定まっていない。
これを確認するため、放射線療法と併用するアンドロゲン除去療法の施行期間について、36カ月(3年)と18カ月(1年半)の比較試験を行ったところ、2群間に有意差のないことが示された。(ASCO2013発表)

 カナダUniversitairede SherbrookeのAbdenour Nabid氏のグループは、2000年10月から2008年1月までに、放射線療法を行った高リスク前立腺癌患者を対象に、アンドロゲン除去療法の36カ月と18カ月の予後を比較する試験を行ったところ、PSA再発、骨盤内リンパ節転移、全生存期間(OS)のいずれにおいても、2群間に有意差はなく、全生存期間(OS)に関与する因子は、「患者の年齢」と「グリソンスコア7以上」の2つだけだったことが判った。
QOLの違いについては現在評価中とのことだが、アンドロゲン除去療法の短いほうが良いと考えるのが普通だろう。

よって、導き出される結論としては、放射線療法と併用するアンドロゲン除去療法の施行期間は1年半(18カ月)で良いということになるだろう。