米国放射線腫瘍学会(ASTRO)と米国泌尿器科学会(AUA)が、共同で、前立腺全摘除術後の ”術後/サルベージ放射線療法ガイドライン” を作成し、2013年5月7日、その内容が公表されました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201305/530396.html
”術後/サルベージ放射線療法ガイドライン” では、次のような臨床的事項について、医師はこれを患者に伝えなければならないとされています。(内いくつかの要約を下に抜粋)
1)全摘術を行った場合、病理検査の結果、当初の診断がより高リスク群に変更される可能性がある。
2)精嚢浸潤や断端陽性、皮膜外浸潤などを有する場合、全摘術に続いて術後放射線療法を追加すれば、PSA再発、局所再発、臨床的進行をきたすリスクが低下する。
3)術後PSA再発をきたした場合、転移リスクの上昇および死亡リスクの上昇に結びつくことがある。
4)PSA再発患者は再度病期診断を検討したほうが良いかもしれない。
5)遠隔転移のない症例に全摘術を行い、PSA再発または局所再発が確認された場合は、サルベージ放射線療法を勧める。
6)PSA再発症例に対するサルベージ放射線療法は、PSAが低値であるほど高い効果が得られる。
7)放射線療法は再発のコントロールには有用だが、排尿、排便、性機能などになんらかの副作用を生じる可能性がある。
我国の場合はどうでしょうか。
手術の前に、これだけの内容の説明を受けることは、まずほとんどないでしょうね。
泌尿器科の医師のコンセンサスが、まだ得られていない内容もありそうです。