2010年4月2日金曜日

前立腺癌診断ストレスが心血管イベントの増大につながる

前立腺癌の告知を受けた患者では、情動(emotional)ストレスによって心血管イベントおよび自殺のリスクが増大する可能性があることが、スウェーデンの研究で示された。

スウェーデン、カロリンスカ研究所(ストックホルム)のKatja Fall氏らは、1961~2004年に前立腺癌と診断されたスウェーデン人男性16万8,584人のデータを分析。癌の診断後1年以内に、被験者のうち1万126例(6%)に心血管イベントが発現し、136例(0.08%)が自殺した。

1987年までのデータでは、前立腺癌患者ではそうでない男性に比べて、診断後1週間以内に致死的な心血管イベントを発現する可能性が約11倍高く、1年以内に心血管イベントを発現する可能性はほぼ2倍であった。1987年以降、前立腺癌患者の致死的または非致死的な心血管イベントのリスクは、そうでない患者に比べて、診断後1週間以内で約3倍、1年以内ではやや高かった。

今回の研究では、17万人近くの被験者のうち自殺をしたのは136人のみであったが、前立腺癌に関連する自殺の相対リスクは診断後最初の1週間では8.4、1年間で2.6であった。研究結果は、オンライン医学誌「PLoS Medicine」に12月14日掲載された。